サクラクレパスの「クーピー100色」、どのようにしてつくったのか:3分インタビュー(1/3 ページ)
サクラクレパスが創業100周年を記念して、「クーピー100色」を発売する。クーピーには「60色」セットがあるが、残りの40色はどのようにして開発したのか。同社の担当者に聞いたところ……。
サクラクレパス(大阪市)が2021年5月に、創業100周年を迎えた。これを記念して、「サクラデザイン雑貨商品」や「クレパス太巻50色セット」などを販売し、SNS上で「レトロでかわいい」といったコメントが相次いだ。
そんな中で、筆者が気になっているアイテムがある。「クーピーペンシル100色 ブラックパッケージエディション」(1万6500円、限定3000セット)だ。
シックでモノトーンのクーピー柄のパッケージに、4つのユニットに分けて各25色、計100色のクーピーが入っている。「100色」という数は、1973年に生まれたクーピーにとって最も多く、そのうち40色は限定カラー。特に、パール顔料を使った新しい12色は「発光がとても美しく、描く人々やすべての表現の幅を広げてくれる」(同社)という。
それにしても、100色のクーピーはどのようにしてつくったのか。そもそも新しい色って、どうやってつくるのか。商品開発に携わった花篤出(けいとく・いずる)さんに話を聞いた。
担当者に聞いてみた
――既存のクーピーには「60色」セットがありますよね。今回の「40色限定カラー」というのは、新たに色をつくった数になるのでしょうか?
花篤: 10年前の創業90周年のときに「90色」セットを発売しました。ご指摘されたように、クーピーには「60色」セットがあるので、当時新たに30色をつくったんですよね。ただ、新たにつくった色は限定品だったので、それ以降は販売していません。つまり、お客さまはその色を使い切ってしまうと、補充することができなかったんですよね。
今回、100色セットを開発するにあたって、30色のうち28色を復活させました。ちなみに、復活させなかったのは「シオン」と「スカーレット」。なぜ、この2色は落選したのか。シオンとスカーレットは「中間色」といって、原色と原色をかけあわせたモノなんですよね。シオンは青色、スカーレットは赤色をしていて。
もちろん、それを使って描けば他の色との違いは分かるのですが、本体をパッと見ただけではその違いがよく分からない。100色並べたときに、隣に並んでいる色とそれほど違いがなかったので、この2色は復活させませんでした。
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