エースの「背中が蒸れないリュック」は、なぜ売れているのか:週末に「へえ」な話(3/3 ページ)
暑い夏。リュックを背負って「汗ばむなあ」「蒸せる」と感じたことがある人も多いのでは。こうした問題を解決するために、バッグメーカーのエースは「蒸れないリュック」を開発した。どういった機能が搭載されているのかというと……。
ビジネスパーソンの背中をめぐって
「やれやれ、一件落着」といったところだが、ここでイジワルな質問を。ピアノ線を採用したことで軽量化に成功したわけだが、頑丈さの視点でいうと、弱くなったのではないだろうか。この質問に対して、同社の応報担当者は「ご指摘のとおり、初代と比べると、少し弱くなりました。だからといって、品質に問題があるわけではなく、初代が頑丈過ぎたと言えるのかもしれません」とのこと。
「重いけれど、頑丈なモノを好む=初代」「ちょっと弱いけれど、軽いモノを好む=2代目」といった公式になりそうだ。
初代の課題を改良したことで、現モデルの売り上げは好調のようだが、最後になぜエアベンチレーションを採用したのか。その背景について、紹介しよう。
街中を歩いているビジネスパーソンをよーく見ていただきたい。ビジネスリュックを背負っている人もいれば、アウトドアメーカー(スポーツメーカーを含む)のリュックを使っている人も多い。この光景から、何を読み取ることができるのか。既存のバッグメーカーからすれば「アウトドアメーカーがビジネスバッグ市場に進出してきた」ことになるのだ。
攻め込まれている状況に対して、エース社の開発担当者はどのようなことを考えたのか。「当社はビジネスパーソンが使いやすいバッグをつくり続けてきた。アウトドアメーカーに負けるわけにはいかない」という強い気持ちがあって、逆に、アウトドアメーカーの十八番ともいえる機能を導入することにしたのだ。
ビジネスパーソンの背中を蒸れさせないために――。カバンとカラダの距離をめぐって、“夏の陣”が繰り広げられている。
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