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プロダクトアウトの罠にハマった「象印」のリカバリー戦略家電メーカー進化論(7/8 ページ)

電気炊飯器市場でトップシェアを誇る象印マホービンは、2018年に100周年を迎えた。高級炊飯器のヒットとインバウンド需要に押され、10年ごろから右肩上がりで売り上げを伸ばしたが、16年をピークに減少。そこへコロナ禍が発生した。この長引く苦境をどう乗り越えるのか。取締役の宇和政男氏に話を聞いた。

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日本で一番売れている炊飯器の座で、海外市場も獲得

 売り上げ改善のためには、世界市場の開拓も欠かせない。中期業績目標の目指す22年の売上高は800億円で、達成には海外市場での売り上げ増加も求められる。インバウンド需要の反動がある象印だが、海外での売り上げは順調に伸びているという。特に北米は好調だ。

 「北米の販売会社が元々オンラインに強かったこともあり、コロナ禍でも売り上げは非常に好調でした。北米では、当社のホームベーカリーが実はトップシェアなのです。コロナ禍のおこもり需要もあり、生産が追いつかなかったほどでした。そのほか、炊飯ジャーやコーヒーメーカーなども売れています。逆に、元々売り上げが良かった台湾は百貨店での販売が主だったこともあり、コロナ禍では厳しい状態です」(宇和氏)

 海外市場での販促にあたって重要なのが“日本のトップシェア”だという。「日本で一番売れている炊飯器」という言葉が、海外で売るためにも非常に有効なのだ。

 「海外マーケット全体で考えると規模の大きい中国は欠かせませんが、中国でも米国でも、日本で売れているという裏付けがないと通用しません。つまり海外で多く販売するためにも、日本国内の販売力を強化する必要があります」(宇和氏)

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