政府が送った高級ウイスキーはどこに? 企業も“わいろ”を渡すのは止めよう:世界を読み解くニュース・サロン(3/5 ページ)
日本政府が米国のポンペオ前国務長官に贈った高級ウイスキーの所在が分からなくなった――。どこにいったのかという問題よりも、そもそも贈り物をする必要はあるのだろうか。コンプライスが重視されている昨今、こうした行為は「わいろ」と受け取られて……。
贈り物に意味はあるのか
こうした贈り物に、文化的な側面はあまりなさそうだ。日本で売っているモノを贈っているだけで、宣伝にでもなればいいかな、といったノリのような感じもする。
ちなみにトランプ前大統領も、ギフトを外国要人にプレゼントしている。例えば、英国のエリザベス女王には、4000ドル(約43万円)相当の米ティファニー社製ブローチを贈っている。中国の習近平国家主席には、2900ドル(約31万円)相当のティーセットを贈り、日本の安倍晋三前首相には、2000ドル(約21万円)相当のクリント・イーストウッドのサイン入りボクシンググローブ(安倍が好きだと公言しているイーストウッド監督の映画『ミリオンダラー・ベイビー』にちなんで、らしい)などを贈っている。
こうした贈り物も、以前ならよかったかもしれないが、コンプライアンスなどが厳しくなっている昨今、国同士、要人同士であればOKというのは、ちょっと時代遅れではないだろうか。いや、もう少し踏み込んで言えば、こうしたやりとりは意味がないと思っている。
なぜかというと、米国の場合、受け取った側は保管するために国立公文書記録管理局に渡してしまうからだ。つまり、贈られた本人は、手にできないのである。しかも、ギフトを受け取った理由を書く欄があって、そこには全て「受け取らないと失礼に当たるから」などと書かれている。この文言から、「受け取らないと申し訳ないしねえ」と渋々手にしている様子がうかがえる。
ちなみに、日本ではどうか。外国の要人からもらった贈り物を家に持ち帰ってはいないと思うが、もしそんなことがあれば、どう考えても「わいろ」である。贈り物をもらったことで、それ以降の付き合い方、印象が変わってくるだろう(少なくとも相手はそれを期待している)。そう考えると、贈り物についてはすべて公開したほうがいいと思っている。
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