政府が送った高級ウイスキーはどこに? 企業も“わいろ”を渡すのは止めよう:世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)
日本政府が米国のポンペオ前国務長官に贈った高級ウイスキーの所在が分からなくなった――。どこにいったのかという問題よりも、そもそも贈り物をする必要はあるのだろうか。コンプライスが重視されている昨今、こうした行為は「わいろ」と受け取られて……。
ウイスキーは行方不明に
ところで、今回のポンペオの件は、なぜ表沙汰になったのか。
米国政府は外交の中で他国の要人からもらった贈り物を記録し、公文書館で保管している。そして、公開する決まりがある。これは「外交関係権限法」という法律で定められていて、390ドル(約4万2000円)相当以下の贈り物であれば、黙って自分のモノにしていい。だがそれ以上の価格で、自分のモノにしたければ、自腹で購入しなければいけないのだ。
ポンペオが受け取ったウイスキーについても、日本から受け取ったモノなので記録しようとしたところ、行方不明になっていることが判明したのである。
日本政府はこれまで、外国の要人たちにどんなモノを贈ってきたのだろうか。例えば2017年。トランプ政権が発足した年に送った贈呈品を、いくつか紹介する。
【贈り主→贈り相手】
安倍昭恵・首相夫人→メラニア・トランプファーストレディ
贈り物:7.5mmパールのイヤリング、2200ドル(約24万円)相当
安倍昭恵・首相夫人→イヴァンカ・トランプ大統領補佐官
贈り物:ハンドバッグ(ISSEY MIYAKE)、495ドル(約5万4000円)相当
河野太郎外務大臣→イヴァンカ・トランプ大統領補佐官
贈り物:漆の万年筆、1180ドル(約13万円)相当
では、19年はどうか。
安倍昭恵・首相夫人→メラニア・トランプ前ファーストレディ
贈り物:7.5mmパールのイヤリング、2600ドル(約28万円)相当
菅義偉官房長官→マット・ポッティンガー大統領副補佐官
贈り物:ウイスキー、8374ドル(約91万円)相当
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