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『文春』と『新潮』が中づり広告から撤退、それでも車内広告に未来はある:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(6/7 ページ)
「週刊文春と週刊新潮が中づり広告を終了する」と8月17日報じられた。電車で中づりで政治や芸能の旬な話題がひと目で分かったものだが、スマートフォンの普及で下を向く人が増えた。確かに大手2社の撤退は転機になるだろう。しかし、中づり広告は廃れるかといえば、そうでもなさそうだ。
中づり広告は生き残れるか
週刊誌の中づり広告撤退は、メディアとしての鉄道事業者にとって痛手だろう。しかし、タイムラグの問題を放置した報いでもある。印刷は物理的に時間がかかるし、中づりの掛け替えは手作業だ。「だから仕方ない」とあきらめてしまった。
しかし、積極的に導入しているデジタルサイネージを活用すれば、タイムラグは限りなくゼロにできる。週刊誌の発売日前日にデジタルデータで広告データを納品し、発売日に車内で上映するという仕組みは可能なはずだ。
例えば、山手線E235系に搭載されているデジタルサイネージは、WiMAX通信で更新できる。これは本来は広告用ではなく、運行情報を乗務員に提供し、合わせて車内の画面にも提供するシステムだ。E235系より前の電車は、駅の停車中または車庫でミリ波による通信で広告データを更新していた。
この仕組みはきちんと手を加えれば、翌日の広告を前日夜にセットできた。それが、E235系以降は走行中にリアルタイムで更新できる。ファストフードチェーン店などで「本日17時から新メニュー発売」などのタイムリーな広告を提供できる。しかし、残念ながら今のところは動画コンテンツにご執心の様子だ。
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