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「振り回されたのはGoToに似ている」との声も 東京五輪はホテルに恩恵をもたらしたのか:瀧澤信秋「ホテルの深層」(2/6 ページ)
五輪開催で当初は不足問題も浮上したホテル業界。それが新型コロナウイルス感染拡大で一転、一気にネガティブな空気が支配した。多くの競技が無観客開催となったが、五輪はホテルに恩恵をもたらしたのだろうか。
五輪の延期、コロナ禍で状況は一転
それだけ大会関係者向けのニーズはホテルにとって重要であったわけだが、五輪延期により仮押さえは開放され、冒頭に書いた通りに五輪どころではない状態となっていった。
総体的にみると、宿泊施設不足の需要ひっ迫によって誕生した民泊や簡易宿泊所には事業そのものを断念する施設も相次ぎ、一般のホテルや旅館でも廃業する施設は続出した。インバウンド活況からの五輪ムードは一転、惨憺(さんたん)たる状況が続いていることはいまも変わらない。
多くの会場が無観客の中で開催されたわけだが、大会1カ月前に宿泊予約サイトで空室をリサーチしてみると、やはりというか通常の価格で空室が多く見つけられた。
このように利用者目線からすると表面的には特段の傾向がみられず、一般の方々にとっても五輪とホテルは関連付けられるトピックでもなかった。しかし、多かれ少なかれ大会関係者の需要はあったわけで、実際、五輪によりホテルの稼働や料金はどのくらい押し上げられたのだろうか。
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