総務が提供すべき「最高の顧客体験」 そのための3つのポイントとは:「総務」から会社を変える(2/3 ページ)
総務DXに必要な視点が「最高の顧客体験を提供すること」だ。では、総務にとっての顧客とは誰なのか。そして、どのような顧客体験を提供することが求められるのか。
そもそも、総務が実現すべき「顧客体験」とは何なのか。そこで考えるべきは、「総務のユーザー」「総務のオーナー」という概念だ。
総務のユーザーとは、総務が企画し実践する施策を直接的に利用する、まさに総務の「顧客」である人を指す。つまり、現場の従業員である正社員、アルバイト・パート、派遣社員といった人たちだ。一方、総務のオーナーとは、総務に指示を下す、経営層となる。つまり総務における「最高の顧客体験を作る」とは、従業員に対して、その体験を最高のものにする、ということになる。
そこで知っておきたい言葉が「EX」だ。これは「Employee Experience」の略で、従業員が会社の中で働くことを通して得る、全ての経験のことを指す。このEXを最高のものにすることが、総務におけるDXの目的となる。そしてEXを考える際に必要なのが「エンプロイージャーニー」、つまり従業員が入社してから退職するまで、企業の中で経験する一連の出来事を、時系列順に可視化したものである。
入社→オンボーディング→配属→就業→(異動/昇格/降格→)退職
多くの人は、入社から退職まで、このような道筋の経験をするだろう。総務としては、この、それぞれの場面に応じて「最高の経験」を提供する必要がある。中でも、「就業」にフォーカスし、最高の就業体験(=職場体験)を作ることこそが、総務DXの目指すところになるのだ。
就業体験とは、端的にいえば「働き方」だ。冒頭にも書いた通り、この「働き方」はコロナ禍によって大きく変化してきた。ある意味、総務としては絶好のチャンスともいえる。とはいいつつも、総務はどのように考え、どのように最高の就業体験を実現していけばよいのだろうか。考えるべきポイントは3つあると、筆者は考えている。
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