2週間で売り切れ コンバース「オールスター」のミニ消しゴムが4年ぶりに復活したワケ:3分インタビュー(2/2 ページ)
コンバース「オールスター」のミニ消しゴムが4年ぶりに再販され、あっという間に売り切れてしまった。なぜこのタイミングで復活したのか? なぜアディダスやナイキではなくコンバースだったのか? 理解されない「こだわり」は? 気になる疑問を担当者に聞いた。
なぜコンバースにしたの?
――そもそもなぜ、コンバースだったのでしょうか? アディダスやナイキなどのブランドもコンバースと並ぶほどの人気シューズかと思いますが
山口さん: コンバースのオールスターは100年以上の歴史がある定番シューズ。誰でも一度は見たことがある人気デザインです。もちろん、他のブランドの人気シューズもありますが、その中でもキャンバスオールスターは特別な商品だと思っております。
という理由もあるのですが、一番は企画担当者がキャンバスオールスターをとても好んで愛用しているからです(笑)
――なるほど。そういった理由もあって完成度がすごく高いんですね。製作の過程で苦労した点を教えてください
山口さん: 消しゴムの原料に着色して靴の色を再現しているのですが、その調整が難しく、狙った色を出すのに苦心しました。消しゴムの原材料にはTPRという樹脂を使用します。プラスチックとゴムの中間の性質を持ち、ゴムのように軟らかくプラスチックのように簡単に加工ができるのが特徴です。 消しゴム以外にも、チューブやグリップなどで使われています。
もろもとTPRは白い素材で、そこに顔料を混ぜることで色を作るのですが、適切な配分量を実現するのに苦労しました。何度も工場とやり取りを重ねてやっと理想の色を作り出すことができました。
――シューズ自体のかたちだけでなく、色味にもこだわっているんですね。たとえ誰にも気付かれないとしても、細部への徹底したこだわりが見られる商品ってミニチュアは特に多い気がします
山口さん: そうなんですよ。実はもう一つすごくこだわった箇所があるんです。消しゴム自体ではなく、消しゴムを入れる「箱」なのですが、今回、箱の上の穴をつぶしました。店頭に並んだ時に中身の消しゴムの色が分かるように、と開けていたのですが、「本物の箱に穴なんて開いていないし」と思っていたのでふさいでしまいました。
営業にはあまり理解されなかったのですが、小さなこだわりです(笑)
(終わり)
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