米国株取り引きは日本株に続く柱になる 松井証券、和里田聰社長に聞く:金融ディスラプション(4/4 ページ)
日本初のネット専業証券である松井証券。カリスマ社長である松井道夫氏のあとを受けて2020年6月に社長に就任したのが、和里田聰(わりたあきら)社長だ。激動の証券業界において、松井証券の進む方向とは?
米国株は手数料競争はしない
ーー米国株のサービスを提供することを発表した。
和里田氏 これまで日本株一本足打法だったが、今後は、事業ポートフォリオを多様化していかなくてはならないと考えている。また、証券会社を選ぶ際に商品ラインアップを見たときに、ネット証券として標準的なサービスがそろっていないと選んでもらえない。
5年前、米国株のニーズは少なかった。この1、2年で急速に米国株への注目が高まっている。米国株のパフォーマンスがいいことに気づいたのだろう。
これまで、外国株はビジネス的に成り立たないと言ってきた。以前、中国株を取り扱ったときも、一度も単月黒字になったことがなく、成り立たなくて止めてしまった。米国株に関する情報はまだまだ少ないが、今後、増えてくると考えている。10年後、20年後には、米国株の取り引きが日本株の取り引きを上回る可能性は十分ある。今後、10年間で、日本株の次の柱になる可能性がある商品だと思う。
顧客向けアンケート調査でも60%くらいの人が米国株への投資に関心があると回答しており、ニーズはある。まずはサービスとして並べることが重要。スモールスタートしていく。
後発で参入するので、「差別化戦略として、他社よりも安い手数料を提示するのか?」と聞かれることは多いが、それをやるつもりはない。手数料が安いからといってお客さまから支持されるかというと、そう簡単なことではない。あくまでお客さまの課題解決をすることが重要。手数料を無料にしても、日本の投資家の裾野は広がらない。他社の動向に一喜一憂してはいけない。
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