動物病院の「往診車のナカ」はどうなっているのか 利用者がじわじわ増えている理由:週末に「へえ」な話(1/3 ページ)
動物病院の「往診」が増えていることをご存じだろうか。「ペットを家で診てもらいたい」といった人が増えているようだが、筆者が気になったのは「往診車」である。クルマのナカで、どんな治療が行われているのか。取材したところ……。
「ワンワンワン」――。
いつもはこのように鳴いているのに、今日は「ワンワン……ワン」。ちょっとした違いだけで、「あれ? 様子がヘンだぞ」と異変を感じとって、病院に連れていったことがある人もいるかもしれない。
筆者は犬や猫を飼ったことがないので、動物病院に行ったことはないが、ビジネス誌の記者として気になっていることがある。病院数や医師の数は増えているのだろうか、減っているのだろうか。ペットフード協会が行った調査を調べてみると、飼育されている犬はやや減少していて、猫は横ばい。
であれば病院の数は減っているんだろうなあと思っていたら、施設数は年々増えていて、2019年は1万2000ほどに。獣医師も伸びていて、同1万6000人ほどに(農林水産省調べ)。
そんな状況の中で、個人的に気になっているサービスがある。「アニホック往診専門動物病院」(東京都港区)だ。
「ん? 往診でしょ。それほど珍しくないのに、どこがニュースなの?」と思われたかもしれない。事実、「動物病院 往診」と検索すると、でるわでるわ。3年前の記事になるが、こんなデータがある。「東京都に『飼育動物診療施設』として届けられた施設のうち、往診専門は昨年、183施設に上った。10年前(2007年)は83施設だった。このうち個人名や公の施設などを除き、動物病院とみられるものだけ抜き出すと85施設で、10年間で2.6倍になった計算になる」(sippo 2018年11月23日)
往診を手掛けている病院が増えている中で、なぜアニホックが気になっているのか。理由は2つあって、1つはクルマの中で診療をしていること。これは珍しい。もう1つは、血液検査ができること。通常結果がでるまで2〜3日かかるが、当日その場で結果を出せるので、病気の早期発見につながる。これも珍しい。こうした点がウケているようで、往診は5月に始めたばかりなのに、実績は右肩上がり。9月末時点で、1630件(予防接種+往診)を診察しているという。
関連記事
- キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか
キユーピーが販売している「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」が売れている。食べことも、見たことも、聞いたこともない人が多いかもしれないが、データを見る限り、消費者から人気を集めているのだ。なぜ売れているのかというと……。 - トイレの個室に「使用時間」を表示 で、どうなったのか?
首都圏のオフィスで、ある「実証実験」が行われた。トイレの個室に「他の個室の使用状況」と「滞在時間」を表示したところ、どういった効果があったのだろうか。システム開発を手掛けているバカン社の河野社長に話を聞いたところ……。 - 身長155センチ以下! 小柄女性向けのブランドが、「月商1億円」になった秘密
小柄女性向けのブランド「COHINA」をご存じだろうか。2018年に創業し、その後、順調に売り上げを伸ばしているのだ。その要因として、何があるのか。毎日続けていることがあって……。 - これまでになかった「箱型の授乳室」が、じわじわ増えている秘密
ショッピングセンターなどで、木製の箱を目にすることはないだろうか。高さは2メートル、幅は1メートル80センチもあって、壁面には哺乳瓶のイラストが描かれている。これは箱型の授乳室で、2〜3年ほど前からじわじわ増えているのだ。その背景に何があるのかというと……。 - 表参道に「IoTゴミ箱」を設置して1年、ゴミはどうなったのか
2020年10月、表参道の歩道に「IoTゴミ箱」が登場した。あまり聞きなれない「IoTゴミ箱」とは、どんな特徴があるのか。また、1年ほど運用してみて、どのようなことが分かってきたのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.