1枚3000万円の激レアも コロナ禍で“トレカブーム”が再来しているワケ:マジック:ザ・ギャザリング(3/4 ページ)
値動きが発生する資産の中には、株、為替、不動産などさまざまなものがあるが、意外なアイテムが仲間入りしようとしている。それが「トレーディングカード」だ。
合計買い取り額は3倍以上に値上がり
この激レアカードBlack Lotusに限らず、マジック:ザ・ギャザリングのカード自体の平均値も着実に上昇している。ここ1、2年を見ても、晴れる屋の通信買い取り合計金額は20年1〜3月で2885万円だったのが、21年同時期で9753万円と3倍以上に跳ね上がった。
この要因を、藤原さんは「コロナ禍」に見る。
「コロナ禍であまり外にも出ずにお金を使わなくなった人が、余剰分のお金でコレクションアイテムを購入する傾向があったのではないかと思います。そうなるとカードの価値も全体的に上がり、プレイヤーやコレクター以外でも『価値が上がるんだったら投資的に持っておこう』と考えた人が出てきたのではないかと考えています」
このように、当初はもともとマジック:ザ・ギャザリングが好きな人がコレクション的にカードを購入していったものの、結果として値上がりが発生したことから投資対象としての注目を浴び、さらなる価格高騰が見られるという、二段構えの構造となっていったと考えられる。
押し入れの中にレアカード?
値上がりの要因はまだ考えられる。
マジック:ザ・ギャザリングが登場したのは1993年で、日本での発売が開始されたのはそれから3年後の96年だ。日本でも子どもを中心にブームとなった。子どもたちが成長していき、興味の対象が変わっていく中で、遊ばれなくなったカードの中には捨てられる訳でもなく、引き出しの隅や押し入れの奥に置きっぱなしだったものもあるだろう。この「20年以上も寝かされたカード」の存在が今になって日の目を見たとも考えられている。
ここでもコロナ禍と関連付けられる。当時の子どもたちが30〜40代になり、コロナ禍で家を整理する機会が増えたであろうタイミングで、晴れる屋の買い取り量が増えた。晴れる屋によると「押し入れにあったカードに今だと数十万の値が付くこともある」という。
また、同社社長でマジック:ザ・ギャザリングの元トッププレイヤーである齋藤友晴さんが、YouTuber「トモハッピー」として同カードゲームの普及啓発に努めている。60万回以上の再生回数がある動画があったり、1000日以上も連続で動画を更新したりしていることも、ファン層の間口を広げている。8月には国内トップクラスのYouTuber・ヒカルともコラボして新規層への訴求に努めた。
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