ファストリの8月期決算は過去最高益 来期は「値引依存からの脱却」図る:ユニクロ事業が回復(1/3 ページ)
ファーストリテイリングは10月14日、2021年8月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。
ファーストリテイリングは10月14日、2021年8月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。売上高にあたる売上収益は2兆1329億円(前年同期比6.2%増)、営業利益は2490億円(66.7%増)、親会社に帰属する当期利益は、過去最高となる1698億円(同88.0%増)となった。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、業績が大幅に低下した前期に対し、今期はユニクロ事業を中心に業績が回復。大幅な増収増益となった。
国内ユニクロ事業の売上収益は8426億円(前期比4.4%増)、営業利益は1232億円(同17.7%増)。Eコマースを含む既存店売上高は、同3.6%の増収となった。
上期は、ラウンジウエアやヒートテック毛布といった在宅需要にマッチした商品や秋冬コア商品の販売が好調で、前年同期比5.6%の増収となった。
一方下期は、緊急事態宣言や天候不順の影響を受け、同0.9%増収にとどまった。3〜5月は、Uniqlo Uや感動パンツ、ウルトラストレッチアクティブパンツなどの販売が好調で大幅な増収となったものの、6〜8月は前年のハードルが高かったことに加え、緊急事態宣言や8月の天候不順が影響した。
通期のEコマース売上高は1269億円(前期比17.9%増)で売上構成比は15.1%だった。また、値引き販売の抑制や、原価改善の取り組みを進めた結果、売上総利益率は前期比1.4ポイント改善した。
同社は、3月12日から消費税の総額表示対応として、これまでの販売価格をそのまま消費税込みの価格としている。素材の共通化や品番数のコントロール、生地のロス率の最小化などをパートナー工場と一体で進めた原価改善の施策により、原価率はほぼ例年の水準を維持した。
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