ファストリの8月期決算は過去最高益 来期は「値引依存からの脱却」図る:ユニクロ事業が回復(2/3 ページ)
ファーストリテイリングは10月14日、2021年8月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。
海外ユニクロ事業は中華圏で過去最高業績
海外ユニクロ事業の売上収益は9301億円(前期比10.2%増)、営業利益は1112億円(同121.4%増)と、こちらも大幅な増収増益となった。新型コロナの感染拡大が続き大きな影響を与えたものの、感染が抑えられた地域や期間では、業績が大幅に回復した。
地域別では、新型コロナの影響が少なかった中華圏は大幅増益と好調で、売上収益5322億円(同16.7%増)、営業利益1002億円(同52.7%増) と、過去最高の業績を達成した。売上総利益率、売上高販管費率とも改善したことで、営業利益率は18.8%と大幅に改善した。
韓国は通期でやや減収となったが黒字化した。一方、その他アジア・オセアニア地区(東南アジア・オーストラリア・インド)は、期を通して新型コロナの影響を大きく受け、営業利益は約15%の減益となった。
国別では、新型コロナの影響が最も大きかったマレーシア、タイ、フィリピンは減収減益、シンガポール、インドネシア、インド、オーストラリアは増収増益となった。ベトナムは通期で大幅な増収、黒字を達成した。
コロナ禍の規制が5月に緩和された北米は売り上げが急回復し、下期の既存店売上高は大幅な増収となり、米国で初めての黒字化を達成した。上期の減収が影響し、通期では減収となったものの赤字幅は半減する結果となった。欧州は、Eコマース事業とロシアの業績が好調だったことで、大幅な増収、黒字を達成した。
北米と欧州は、コロナ禍で売上総利益率の改善、不採算店舗の閉店、固定費の削減や在庫水準の適正化など収益構造の改革を進めた結果、売り上げの回復に伴って収益性を大きく改善させることができたとしている。
関連記事
- フランス司法当局がユニクロなど捜査 新疆問題で表面化する日本アパレルが抱えるジレンマ
7月2日、フランスの司法当局は「人道に対する罪の隠匿」の疑いでユニクロのフランス法人など4社の捜査を始めた。 - ユニクロが新スポーツ衣料を発売 発汗場所や量を検証して開発
ユニクロが、スウェーデンのスポーツ選手らと共に開発したアスリート仕様のコレクション「UNIQLO+(ユニクロプラス)」を発売する。 - 無印やユニクロの在庫管理はどう? アパレル業界が抱える「サイズ展開」と「需要予測」のジレンマ
アパレル市況は相変わらず厳しい。そんな中でも、カテゴリーにとらわれない拡張路線を走る良品計画の21年8月期第2四半期決算から課題点についてみていきたい。 - 4月から「税込表示」が義務化 ”税別”のユニクロは実質値下げ? アパレルが逃れられない呪縛
4月1日より税込み価格表示が義務化される。特に商品の安さを武器に戦う企業にとっては重要な意味合いを持つ。対応として次の2つのケースで分かれることになる。本体価格+税表記で訴求している企業と、すでに税込み表記で訴求している企業。代表的な例をあげるならば前者がユニクロで後者がワークマンといったところだろうか。 - 「ユニクロ浅草」6月4日にオープン 「巨大ちょうちん」や「手ぬぐい」で地域とコラボ
ユニクロは6月4日、東京・浅草に「ユニクロ浅草」をオープンする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.