国内初、未上場株をオンラインで売買できる「ファンディーノマーケット」の狙い:金融ディスラプション(1/2 ページ)
日本クラウドキャピタルは10月26日、未上場の企業の株式を個人投資家が自由に売買できるサービス「ファンディーノマーケット」を12月8日に開設すると発表した。ベンチャー企業の株式をオンラインで売買できるサービスは国内で初めてとなる。
日本クラウドキャピタルは10月26日、未上場の企業の株式を個人投資家が自由に売買できるサービス「ファンディーノマーケット」を12月8日に開設すると発表した。未上場ベンチャー企業の株式をオンラインで売買できるサービスは国内で初めてとなる。
日本証券業協会が提供する「株主コミュニティ」という制度を活用した。投資家は、銘柄ごとに設けられた「コミュニティ」に参加することで、未上場株式を売買できる。東証のような取引所とは違い、気配値や板は表示されず、売買したい投資家は価格と株数を記入して申し込み、その条件で売買したい投資家とマッチングさせる仕組みだ。
これまで同社は、株式投資型クラウドファンディングサービスの「ファンディーノ」を用いてベンチャー企業の資金調達を支援し、資金を拠出した投資家はその企業の株式を受け取ってきた。この株式は、企業が新規上場(IPO)するか他社に買収(M&A)されるかなどの、いわゆるエグジットして初めて、投資した資金が回収できた。しかし、今回セカンダリーマーケットとなる「ファンディーノマーケット」が登場したことで、新たなエグジットの場が生まれたことになる。
「エグジットの場を広げることが、投資家にリターンをもたらす。IPOなら10年くらいかかるが、マーケットを使えば短い期間でも、投資家に株式を換金できる機会が提供できる」と、日本クラウドキャピタルの柴原祐喜CEOは話す。
従来も証券会社などが株主コミュニティを提供してきたが、投資家に参加してもらう勧誘には制限があり、ほとんど知られていなかった。日本クラウドキャピタルは、株主コミュニティの運営のために、第一種金融商品取引業の登録を行い、セカンダリーマーケットの普及を進める。
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