フェイスブックの社名変更に勝算はあるか:世界を読み解くニュース・サロン(3/5 ページ)
元社員の内部告発などスキャンダルのど真ん中にあるフェイスブックが、社名を「メタ(Meta)」に変更した。この名称変更に勝算はあるのだろうか。
企業イメージ改善のために社名変更するケースも
悪いイメージを払拭(ふっしょく)する意味で名前を変更している会社もある。例えば自動車ローンを主に扱っていた金融会社「ジーエムエーシー(GMAC)」。08年の住宅ローンのサブプライム問題にからんで悪いイメージで見られるようになったので、名前を「アリー・ファイナンシャル(Ally Financial)」と一気に変えて出直しを図った。
また日本でもよく知られた米国の「フィリップ・モリス・カンパニーズ(Philip Morris Companies)」。言わずと知れたタバコ会社だが、喫煙への批判でイメージが悪化していた03年に「アルトリア・グループ(Altria Group)」に名称変更し、フィリップ・モリスを同社の一部門とした。日本ではフィリップ モリス ジャパン(PMJ)があり、同社の公式サイトによれば、「企業ビジョン『煙のない社会』の実現に向けて」企業を展開している。
それ以外でも、ビジネスが広がったために名前やロゴを変更したケースもある。「スターバックス(Starbucks)」はもともと、「スターバックス・コーヒー・ティー・スパイシズ」だったが、11年には「スターバックス」だけになっている。ロゴにもそれまでは「コーヒー」と書かれていたが、以降はなくなっている。コーヒーやティーだけではない商品を広く扱っていくという意思表示である。
同じくアップルも、「アップル・コンピュータ(Apple Computer)」だったが商品の幅が増えたことで、07年に「コンピュータ」を取ってしまい、新しい社名となっている。当時CEOだったスティーブ・ジョブズは、「Mac、iPod、AppleTV、iPhone。このうちコンピュータなのは1つだけだ。だから社名を変える」と明確にその理由を語っている。
言うまでもなく、スターバックスもアップルも、それまでの成功を支えてきた商品を名前から落とすことで、ビジネス拡大に向かう新たなイメージを作り、その後のビジネスは成功している。
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