「女性のやるべき仕事」からどうなった? 10年でシニアの行動に変化:男性の家事参加が増加(1/2 ページ)
花王は「シニアの家事行動・意識」についての調査結果を発表した。その結果、シニア女性の家事の位置付けが変化し、男性の家事参加が増加していることが明らかに。
花王は「シニアの家事行動・意識」についての調査結果を発表した。同調査によると、シニア女性の家事の位置付けが変化し、男性の家事参加が増加していることが分かった。また、「きれいにしたいけれど手間はかけたくない」という意識から家事の効率化を進める人、デジタルで情報収集し、便利な家電や商品を買う人も増えていた。
「あなたにとって家事とは?」という質問に対し、自由回答から単語ランキングを作成。2010年から19年の約10年間で、既婚シニア女性の意識に変化が見られたという。
上位3位の共通ワードを見比べると、10年は1位が「仕事」で「家族」は3位だったが、19年は「家族」が1位(60代は第2位)に浮上している。特徴的なワードに注目すると、10年当時は「主婦」「女」「義務」が見られたが、19年にはそれらがなくなり、「快適だ」「楽しい」「気持ちよい」といったワードが増えている。この結果から、家事の意識は「女性のやるべき仕事」から「家族が心地よく過ごせるように家を整えること」に変化しているようだ。
シニア男性の家事実施率を見ると、いずれの項目においても実施率が上昇。シニア男性の家事参加が高まっていた。
シニア層の家事意識が変化してきた背景に、花王は「シニアの世代構成の変化がある」ことを挙げた。60〜70代前半の人の内訳を見ると、10年の時点では「戦中期生まれ」が半数以上を占めていたが、19年には、新しい価値観を持つ「団塊・ポスト団塊世代」が多くを占めるようになった。
団塊・ポスト団塊世代を中心とするシニア層には、「きれいにしておきたいけれど、手間をかけたくない」という思いがあり、加齢による体の不調で家事がやりにくいといった課題への対処として、新しい家電や洗剤を取り入れている傾向も。例えば、自動調理鍋やロボット掃除機などを用いて、楽しみながら家事を効率化しているそうだ。
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