北海道のローカル線を盛り上げる位置情報ゲーム「テクテクライフ」、仕掛け人に聞く:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(2/11 ページ)
JR北海道の釧網本線が全通90周年を迎えた。記念行事の一つとして、地図塗りつぶしゲーム「テクテクライフ」を使ったデジタルスタンプラリーが開催。全国からゲームのファンが来訪するなど、この取り組みが沿線地域の活性化に貢献しているという。ローカル鉄道と最先端デジタル技術のゲームのコラボは、なぜ実現したのか。
きっかけは2月の「オホーツクに消ゆ」コラボ
杉山: 90周年を迎えたローカル鉄道はオールドシステムの代表みたいなものです。テクテクライフは最先端のスマートフォンで遊ぶゲームですね。どうして両者がコラボに至ったか、ローカル鉄道関係者やゲーム関係者は気になると思います。
近藤氏: 今年の2月に運行した観光列車「流氷物語号」と「オホーツクに消ゆ」というゲームのコラボがきっかけです(詳細は、「名作『オホーツクに消ゆ』×JR北海道「流氷物語号」 奇跡のコラボができるまで」参照)。知り合いに位置情報ゲームをやってる人がいて、「これも使えそうですが話してみますか?」といった感じで。
「地図を塗るゲームです」って聞いて、それは一体何だろうと思ったんですね。本当に面白いのかなって。でも無料だし、遊んでみたら意外と面白い。機能面でも、現地に行かなくても塗れる「となりぬり」があるし、デジタルスタンプラリーもできる。しかも、全国で遊んでいるユーザーさんいる。
杉山: イケそうだと思ったわけですね。
近藤氏: 流氷物語号やほかの観光列車のお手伝いをしていると、スマートフォンで記念写真を撮って、その場でSNSにあげているお客様が多かったので。スマートフォンとくっつけた仕掛けがあるといいんだろうなぁと、ぼんやり思っていたんです。だから、テクテクライフさんと初めてWeb会議をしたときに、うまくやれそうだなと。
杉山: 田村さんはどう思われましたか。
田村氏: もともと位置情報ゲームを観光に結びつけて何かできないかと思っていました。でも、前作の「テクテクテクテク」ではゲーム性を重視しようという方針になってRPGをメインにしたんです。その段階で僕のやりたい観光はひっこめて。でも、前作のユーザーアンケートを見ていくと、RPG要素よりもスタンプラリーを望む声が多かった。
「テクテクテクテク」が終了して、自分たちで引き取ってゲームをやるときにRPGをなくして、スタンプラリー機能を入れました。ゲームというか、ライフログエンターテイメントをやりたいなと思いまして。
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