北海道のローカル線を盛り上げる位置情報ゲーム「テクテクライフ」、仕掛け人に聞く:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(9/11 ページ)
JR北海道の釧網本線が全通90周年を迎えた。記念行事の一つとして、地図塗りつぶしゲーム「テクテクライフ」を使ったデジタルスタンプラリーが開催。全国からゲームのファンが来訪するなど、この取り組みが沿線地域の活性化に貢献しているという。ローカル鉄道と最先端デジタル技術のゲームのコラボは、なぜ実現したのか。
旅に達成感を追加する
10月9日、JR釧網本線維持活性化実行委員会は、全通90周年ツアー「摩周であいましゅう」を実施した。網走から川湯温泉まで臨時列車「テクテク釧網本線めぐり秋号」が走り、近藤氏、田村氏、筆者も同乗した。インタビューはツアーの中間地点、川湯観光ホテルで行った。
杉山: :田村さん、今日のフリータイムで川湯温泉編をコンプリートしたそうですね。
田村氏: 気軽にできる素晴らしいゲームバランスでした。現実を前にしてゲームバランスというのも失礼かもしれませんけれど。
近藤氏: お散歩気分で楽しんでらっしゃいましたね。
田村氏: 名鉄のエヴァめぐりは、67カ所のチェックインスポットがあったんです。デジタルだから67カ所もできるぞー、こんなスタンプラリーって今までないよね、デジタルだからできるんだよね、って。でも、やってみるとすごい大変という声が多くて(笑)。
杉山: エヴァンゲリオンが好きな方は、たっぷり楽しめたと思いますが、一般の人が楽しむ観光とはちょっと違うかもしれませんね。
田村氏: 川湯温泉編は歩いて1時間ぐらいでパッとめぐれてコンプリートできる。その中でゆったりと散策を楽しんでいただく。硫黄の流れる川の上の丸太橋を渡るとか、足湯に入るとか、大鵬相撲記念館を見学するとか。このめぐり方は小気味よくて、まさにテクテクライフでした。
近藤氏: 森の中に環境省の施設、川湯エコミュージアムセンターがあって、阿寒摩周国立公園の自然や動植物を紹介しています。
田村氏: 歩いているとテクテクライフを楽しんでらっしゃる親子のユーザーさんに会って、お話しできました。同じ興味を持つユーザーさん同士の出会いがあるという意味では、5カ所くらいをめぐる小さなイベントもいいなあと思いました。
近藤氏: 今日はユーザーさんの様子を本当に見られて、こんな風に遊んでいただけるんだなあと。網走から来る列車の中でチェックインの操作をしてる方もいらっしゃいました。
田村氏: 4、5歳ぐらいの子からシニア層まで遊んでいただいて、操作は難しくないっていう声もいただけたました。スマートフォンの電池なくなっちゃったって言われて、僕のバッテリーを貸してあげたりして。
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