2015年7月27日以前の記事
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なぜ日本の初任給は一律なのか? 不自然な「職能給」米国は出身大学で大きな差(1/4 ページ)

欧米系の企業はジョブに基づいた職務給を、日本企業は人を基準とした職能給を主に採用しているといわれている。しかし、人事コンサルタントの筆者は、日本の賃金制度は全く“職能”に基づいていないと考えている。日米の賃金制度の違いから、日本の賃金制度の本質について考える。

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 近年、日本でもジョブ型雇用の導入を目指す企業が増えている。雇用制度は主に、欧米ではジョブ型雇用、日本ではメンバーシップ型雇用を採用している。

 賃金制度も同じく日米で異なっており、欧米系はジョブに基づいた職務給を、日本は人を基準とした職能給(能力給)を採用しているといわれている。たとえ話として「欧米系の職務給は机に、日本の職能給は人に値札がついている」とかみ砕いて説明されることも多い。

 私は長い間人事コンサルティングの仕事をしてきたが、この考え方は全く当てはまらないと思っている。むしろ米国の賃金の方が日本よりも属人的で職能給の傾向が強いのではないかとさえ思う。


画像はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

 職能給とは職務遂行能力に応じて賃金を設定する仕組みである。つまり優秀な職務遂行能力を発揮している者ほど高い賃金となり、低い場合はそれ相応の賃金にとどまるのが基本である。つまり能力のレベルによって賃金は異なるということだ。

 日本の職能給は、この基本に基いて運用されているのだろうか。米国は職務給といわれるが、能力の要素がないのだろうか。この点を考察してみたい。

日本と違う! 米国的な“初任給”の考え方とは

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