クラウド型顔認証で何が変わる? eKYC最大手「LIQUID Auth」を提供(1/3 ページ)
Liquidは11月16日、ID/パスワードに顔認証を付け加えられるサービス「LIQUID Auth」を2022年1月から提供すると発表した。eKYCで培った技術とデータを活用し、ユーザーがスマホのカメラで自分の顔を撮影することで、簡単に本人であることを認証できる、クラウド型の顔認証サービスだ。
Liquidは11月16日、ID/パスワードに顔認証を付け加えられるサービス「LIQUID Auth」を2022年1月から提供すると発表した。eKYCで培った技術とデータを活用し、ユーザーがスマホのカメラで自分の顔を撮影することで、簡単に本人であることを認証できる、クラウド型の顔認証サービスだ。
金融機関が高額振込やATM現金引き出しの際に顔認証を使ったり、オンライン試験やオンラインライブの際に顔認証を使って本人であることを確認することに利用できる。また、入退場の打鍵代わりに顔認証を使う勤怠管理にも利用することを想定している。
Liquidは、オンライン上で身元確認を行うeKYCの最大手だ。銀行、証券、クレジットカードなど法律で身元確認が必須とされている金融業界を中心に、65社が同社の技術を導入。契約済みの企業を入れると顧客企業は102社となっており、国内トップシェアを誇る。
eKYCでは、免許証などの本人確認書類のコピーを郵送する代わりに、スマホのカメラで書類と顔を撮影し、それが一致するか、また書類が正しいものかをオンラインでチェックする仕組み。判断の多くはアルゴリズム化されており、スピーディーな本人確認が可能になっている。
今回のLIQUID Authは、eKYCの際に取得した顔情報を活用した当人確認技術だ。同社のeKYCを使うと、ユーザーの顔データはサーバ側に保存される。LIQUID Authの顔認証では、カメラで撮影した顔と、eKYC時の顔データを照合して当人かどうかを判断する。
「一般的なスマホのカメラ認証より精度は高い。iPhoneなどに搭載されている赤外線を使った3Dスキャンほどではないが、その中間くらい。他人を受け入れてしまう率は10万分の1、本人なのに拒否してしまう率は0.5%まで精度が上がってきている」と、Liquidの長谷川敬起社長は話す。
eKYCでは、法律の求めに従い、顔を動かしたり目をつむったりといった手間がかかるが、LIQUID Authではリリース当初、正面の顔写真1枚だけで認証を行う予定だ。
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