「もしもし」の声はどこからなのか? コロナ禍、コールセンターの“いま”:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
コールセンターで働く人の離職率は高い。こうした課題に対して、運営会社はどのように対応しているのだろうか。国内外で166の拠点をもつ、トランスコスモスに聞いたところ……。
20年ほど前の話である。コールセンターを取材したとき、担当者がこんなことを言っていた。「ココで働く人は残念ながら離職率が高くて。仕事のストレスを減らすために、オフィスに観葉植物を置いたり、絵を飾ったりしているんですよね。それでも辞めていく人は多くて……」と。
オフィスをよーく見ると、確かに観葉植物がたくさん置かれている。高さ2メートルほどあって、葉っぱの多いものだったと記憶している(つまり、緑が多い)。また、絵については、タテヨコ数十センチといったものではない。タテヨコ数メートルにわたって、子どもと親が公園で笑っている姿が壁にドーンと描かれていたのだ。緑を多くして、子どもの笑顔を見れば、ストレスが軽減されるかどうかよく分からないが、残念ながらその会社を去っていく人は、その後も絶えなかった。
多くのコールセンターが離職率に頭を悩ませているが、その一方で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、大きくクローズアップされた部分もある。たくさんの企業が「店舗を開けることができない」「営業ができない」といった状況の中で、お客とのタッチポイントの一つとして期待されたのが「コールセンター」だったのだ。しかし、である。現場で働く人たちの中には、「感染が怖いので、できれば出社したくない」という人もいた。
クライアント側からは「仕事、頼むよ」とお願いされ、オペレーター側からは「無理!」と断られ。コールセンターを運営する企業はいわば“板挟み”にあっていた中で、解決策の一つとして「在宅」に動いた会社がある。国内外で166の拠点を持つトランスコスモス(東京都豊島区)だ。
「いやいやいや、ウチの会社も在宅にチカラを入れているよ。コロナ後は大変だったんだから」と思われた人もいるかもしれないが、同社が在宅ワークに取り組み始めたのは、感染が広がってからではない。実は、2011年から実証実験として、少しずつ少しずつ導入していったのだ。
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