2015年7月27日以前の記事
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映画『アバター』の聖地も便乗、メタバースに群がるにわか専門家浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(2/4 ページ)

フェイスブックが社名を「メタ(Meta)」に変更し、「メタバース」への関心が急速に高まっている。実際のところメタバースの定義さえ曖昧だが、「メタバース元年」の中国では「金を産みそうな未来技術」として言葉が一人歩きし、ひともうけを企むインフルエンサーや企業が湧き出て収拾がつかない状況だ。

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ゲームで醸造した酒をリアルで受け取れるメタバースゲーム

 「株価が異常な動きを見せている」として、同取引所から10月以降に2度質問書を受け取ったのが、今年9月に「メタバース要素を取り入れた経営ゲーム」の開発を発表したオンラインゲーム企業の中青宝だ。

 同社の発表によると、ゲームのユーザーは100年前の中国にワープし、酒造会社の経営者として原料調達や原料の調合、ボトルのデザイン、販売ルートの構築を行う。ゲーム内で開発した酒は実在する古酒メーカーの店舗で受け取れる点が、バーチャルとリアルが融合したメタバース要素だという。


中青宝が公表した酒蔵経営ゲームのコンセプト動画のキャプチャ画像

 2003年に創業した同社は、07年に中国共産主義青年団とコラボして愛国歴史ゲーム「抗戦英雄伝」をリリースするなど、歴史ゲームの制作実績は豊富ではあるが、業績自体は低迷気味で20年の純損益は1億5000万元(約27億円)の赤字だった。

 また、同社は18年にも当時ブームだった「ブロックチェーン」ビジネス参入を匂わせて株価がストップ高になったもの、結局事業化に至らなかったという“前科”がある。

 今回イメージ動画を発表した酒造経営ゲームについても、リリース時期など詳細は未定で、深セン証券取引所の2度の質問書に、徐々にトーンダウンしている。

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