”キッチンをワークスペースに” 「デスクになるキッチン」誕生:省スペース・高効率を実現
日鉄興和不動産とタカラスタンダードが協同し、「デスクになるキッチン」を開発した。
日鉄興和不動産が運営するリビオライフデザイン総研で活動している、シングルライフのための暮らし・住まいの研究所「+ONE LIFE LAB」(以下、ワンラボ)が、「デスクになるキッチン」を開発したと発表した。総合住宅設備機器メーカーのタカラスタンダードと協同し、在宅ワークの環境に適した「省スペース化・高効率」を実現したキッチンとして訴求する。
ワンラボは、単身世帯のライフスタイルや価値観を研究・リサーチし、単身世帯の住まいに関わる商品企画や共同開発を進めてきた。社会情勢の変化に伴い「イエナカ」の過ごし方が見直されたことを受け、キッチンのワークスペース化を実現する商品企画を検討した。
デスクになるキッチンは、単身世帯向けの賃貸・分譲マンションに標準装備されている横幅約150センチのキッチンカウンターに、縦型2口コンロ(IH仕様)、シンク、横幅約56センチのワークスペースを配置。さらに、シンクにはキッチン天板と同材の蓋(ふた)を備えることで、約110センチの作業空間をつくった。調理空間としての機能を保ちつつ、作業時に窮屈にならない空間設計とした。
シンク前には、包丁差しを移動させて小物入れを設置。料理用の小物の他、文房具など好みに合わせて収納できるようにした。キッチン天板の下部にはキャスター収納を設け、仕事をする際に引き出して足を入れられるよう工夫した。引き出したキャスター収納は、サイドテーブル、収納としても利用でき、シンク下のキャビネットにはダストボックスを設置し、空間を効率的に活用できるようにした。また、吊戸下部にLED照明を仕込み、作業時の照度も確保した。
ワンラボが実施した調査によると、新型コロナウイルスの流行期初である2020年3月末と比較して、約40%の人が「在宅勤務が増え今後も継続・増加する」と回答。一方で、居住空間において最も多い困りごとは、「在宅勤務の仕事環境が整っていない/仕事が思うようにできない」ことであることが分かった。
また、在宅勤務の困りごととして、「オン・オフの切り替えができない」(約41%)という回答が最も多く、次いで「デスク・椅子などの設備がない」(約29%)という結果に。
さらに、住空間に求める専有面積は「以前よりも広い面積を希望」(約49%)との声が多く、その理由として「在宅時間が長く、リビングを広くしたい」「収納を増やしたい」に次いで「仕事専用のスペースが欲しい」という意見があった。
このキッチンは現在、+ONE LIFE LAB銀座ギャラリーでモックアップを展示しており、22年10月完成予定の都心賃貸レジデンス「リビオメゾン上野松が谷」(東京都台東区)で採用される予定。
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