仮想通貨の1年を振り返る 770万円最高値更新への道のり【前編】:金融ディスラプション(1/3 ページ)
仮想通貨にとって、2021年は復活の年だったと言えるだろうか。ビットコインの価格は770万円を超え、過去最高値を更新した。この1年、仮想通貨周りでどんなことがあり、そして22年はどうなるのか? ビットバンクの廣末紀之CEOと長谷川友哉マーケットアナリストの解説を元に、この1年の動向を振り返る。
仮想通貨にとって、2021年は復活の年だったと言えるだろうか。ビットコインの価格は770万円を超え、過去最高値を更新した。この1年、仮想通貨周りでどんなことがあり、そして22年はどうなるのか? ビットバンクの廣末紀之CEOと長谷川友哉マーケットアナリストの解説を元に、この1年の動向を振り返る。
新たなアセットクラスに
まず全体を通していえるのは、「一つのアセットクラスとして認知が高まった」(廣末氏)ことだ。資産運用の世界では、株式、債券がメジャーな資産(アセット)クラスであり、そこに不動産や金などが資産として考えられることが多い。これまで、仮想通貨は信用できない投機対象と見られていたが、21年は長期的に運用すべき資産の1つとして考えられ始めたということだ。
これは機関投資家や企業がビットコインを買うようになったということを意味している。米マイクロストラテジーを始めテスラなど、上場企業がビットコインを保有するようになったのが21年だ(ビットコインなぜ上昇? これまでとの違いは企業の動き)。「ナスダック上場の8社が保有、世界では27の上場企業が保有している」とビットバンクの長谷川友哉マーケットアナリストは言う。
これまで一部の個人が取引する対象だった仮想通貨に、「腰の据わった資金が入ってきた。プレイヤーの顔ぶれが変わって質が変わった」(廣末氏)というわけだ。
10月についにビットコインETFが米国で上場したことも、これを後押しするものだ。ビットコインへの投資は、その管理をどうするかという点で未だ難しさが残る。米国では保管管理を行うカストディが機能し始めているが、株式と同様に取り扱えるビットコインETFは機関投資家の参入を後押しする。
関連記事
- 仮想通貨の1年を振り返る 2022年の価格はどうなる?【後編】
前編では2021年の仮想通貨を取り巻く状況を振り返った。後編では引き続き、ビットバンクの廣末紀之CEOと長谷川友哉マーケットアナリストの解説を元に、22年の課題と価格の見通しを考える。 - ビットコイン、ドル建て最高値更新 日本円では750万円突破
ビットコインの上昇が早い。10月18日に710万円を超え、円建てで過去最高値を更新したが、10月20日未明からもう一段上昇し、ドル建てでも過去最高値を超えて6万4300ドルに達した。 - ビットコイン急騰、中米エルサルバドルで法定通貨に 世界初
中米エルサルバドル議会は6月9日に、仮想通貨のビットコインを法定通貨とする法案を可決した。仮想通貨が法定通貨となるのは世界初だ。90日後に法制化される。 - ビットコイン本位制——ビットバンク廣末CEOが描く仮想通貨の未来
ビットバンクの創業者である廣末紀之CEOは、証券からIT、そして初期からの仮想通貨(暗号資産)を見てきた。同氏は、現在の仮想通貨を巡る状況をどのように分析しているのか。 - ビットコイン価格を押し上げた機関投資家 日本の状況は?
2020年年末から年初にかけて、ビットコイン価格は200万円台から400万円超まで上昇し、過去最高値を付けた。これをけん引したといわれるのが、米国の上場企業や機関投資家による購入だ。では国内の上場企業や機関投資家の仮想通貨に対する動きはどうなのか。 - ビットコインのファンダメンタルズとは何か? ARKレポートから読み解く
この1年で540%もの価格上昇を見せたビットコイン。米国企業や機関投資家が買っているともいわれ、新たな資産として見られることも増えてきた。しかし、ビットコインについてまわるのが「本質的な価値がない」という言葉だ。では、ビットコインのファンダメンタルズとは何だろうか? - ビットコイン急上昇、530万円超え FRB議長「仮想通貨を禁止するつもりない」
ビットコイン価格が急上昇している。10月4日は530万円を超えた。中国の禁止リスクに反応して急落したが、今度は米FRBの「仮想通貨を禁止するつもりはない」という発言を受けて値を戻した形だ。 - ポルトガル2.5国分の電力を消費するビットコイン 仮想通貨の脱炭素化はなるか?
ビットコインが大量の電力を消費することはよく知られている。その量は1260億kWh以上。実にポルトガル2.5国分以上、アルゼンチン1国分に相当する電力だ。一方で、世界は今、脱炭素化、カーボンニュートラルに向けて急速に動いている。 - ビットコインなぜ上昇? これまでとの違いは企業の動き
ビットコインの価格が10月22日に130万円を超え、年初来高値となった。ビットコインは価値を計算する根拠がないため、本質的な価値がないともいわれ、価格変動の大きい資産として知られる。しかし、今回の上昇はこれまでとは違う要因かもしれない。 - ビットコイン、710万円超えて円建て過去最高値
ビットコイン価格が4月に付けた最高値を超えて上昇し、円建てで過去最高値を更新した。10月18日10時時点の価格は、710万円。過去1年間では491%の上昇となっている。 - テスラがビットコイン1600億円購入 価格は480万円を突破
米テスラは2月8日、ビットコイン15億5000万ドルをビットコインに投資したことを明らかにした。これを受けて、ビットコイン価格は急上昇。過去24時間で18%上昇し、480万円を超えた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.