経費精算、承認レスで320時間→23時間に コンカーが不正検知機能強化(3/3 ページ)
大企業向け経費精算システム大手のコンカーは12月7日、新たに日本IBMおよびデロイト トーマツとの協業を発表した。目指すのは、「経費精算がなくても仕事が回る世界」(コンカーの三村真宗社長)だ。
今後4年でコンカー導入企業の半数の承認レス化を目指す
コンカー自体にも基本的な不正検知の仕組みは盛り込まれているが、今回IBMとデロイトトーマツの仕組みを併せて導入することで、「より高度な不正検知が可能になる」(三村氏)形だ。IBMは、各社ごとの規定と整合性を取った柔軟なロジックを入れ込めたり、他のシステムと連携させたりといった作り込みが強み。デロイトトーマツのシステムでは、あらかじめ不正リスクシナリオのライブラリを持っており、企業は容易に高度な不正に対応できる。
いずれも導入には数百万円の初期費用がかかるが、承認レスの実現で生産性が向上するならその価値は大きい。
コンカーは、現在同社のシステムを導入している1400社に承認レスを推奨していき、今後4年間で半数以上の企業への承認レス導入を目指す。企業の中には、「経理部門の中にも、承認に関してはしっかりやり切りたい、デジタル化は慎重にやりたいと考えているところがある」(三村氏)ことから、各社の意識改革も必要になる。
コンカー導入企業の9割が法人カードを導入しており、キャッシュレスについてはほぼ実現した。ペーパーレスの鍵となる電帳法対応企業は、1400社中まだ300社と少ないが、22年1月の電帳法改正で大幅に要件が緩和されることから、「電帳法改正で一気に導入が加速する」(三村氏)と期待する。
キャッシュレス、ペーパーレス、そしてコンカーなどの経費精算システム導入による入力レスと、3つの“レス”には目処がついた。最後のレスである承認レスが普及すれば、経費精算という不毛な手続きが、ついになくなるのかもしれない。
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