2015年7月27日以前の記事
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インフレもたらしたサプライチェーン混乱は、ピークを超えた?(4/4 ページ)

原油高などに伴う値上げが国内でもニュースになっているが、世界でインフレといえば最も注目されるのが米国のインフレだ。11月10日に発表された10月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で6.2%と加速。エネルギーや食品を除いたコアCPIでも4.6%と上昇し、米国のインフレは加速している。

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家計に貯まったままのマネーが株価支える

 簡単には解消の目処が立たないのは、中央銀行のバランスシートだけではない。金融緩和と併せて行われた失業保険などの給付金は、大きな額が預金として滞留している。米市場全体に供給されている通貨の量(M2)を見ると、トレンドでは16.4兆ドルなのに対し、実績は21兆ドルと大きく上振れたままだ。

 こうしたマネーは、経済正常化に伴いリベンジ消費などで消費に回ることも期待されたが、「意外に消費に回ってこない」(吉川氏)状況にある。


給付金などで大量に供給されたマネーは、M2を大きく押し上げた

 実はこのマネーが、現在の株高を支えている。家計が保有するマネーの内訳を見ると、「預金のほかにETFが伸びている。ETF供給が増えていて、それを家計が買っている」(吉川氏)状況だ。さらに、株価が下がったときにはこのマネーが買いに入り、金利が上がったときには債券の買いに入るなど、景気の底支えの役割を果たしている。

 今後、このように滞留しているマネーがどう動くかには期待もある。家計のマネーが消費に回ってくれば、景気はもっと上向くかもしれない。また米国とは違い、日欧では給付金マネーの半分は家計ではなく企業に入った。企業がこれを使えば、さらに景気は後押しされる。

 「現在供給不足ということは、企業からすると投資したい環境だ。22年後半以降、経済が強くなるとしたら、上振れの可能性はそこにある」(吉川氏)

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