全国に39拠点もあるのに、なぜ“三島のホテル”利用が多かったのか 東急「ツギツギ」の結果:週末に「へえ」な話(3/4 ページ)
東急が提供している、定額制回遊型住み替えサービス「TsugiTsugi(ツギツギ)」が話題になっている。全国のホテルを転々としながら暮らすことができるわけだが、利用した人のデータを見ると、ちょっと気なることがあった。泊まったホテルの上位に……。
三島のホテルを利用した理由
ツギツギの利用データを見ていて、個人的に気になったことがある。どこに泊まったかである。総宿泊数のランキングを見ると、トップは「渋谷ストリームエクセルホテル東京」。利用ユーザー数では「横浜ベイホテル東急」、リピート利用数では「渋谷ストリームエクセルホテル東京」がそれぞれトップだった。ユーザーの多くは首都圏で暮らしているので、この結果には納得である。
オフィスの近くにあるホテルを利用して、そこから出社する人も多かったのだろう。また、宮古島や伊豆にあるホテルを利用する人が多かったことも納得である。「ちょっと遠出をしたいなあ」と思ったときに、宮古島に足を運びたくなる気持ちも分かる。「週末にちょこっと出かけたいなあ」となったときに、伊豆に足を向ける気持ちも分かる。
だが、しかしである。利用ユーザー数の3位とリピート利用の4位に「富士山三島東急ホテル」がランクインしていることに、引っかかったのである。もちろん、このホテルをディスりたいわけでもないし、静岡県の三島市が嫌いというわけでもない。富士山三島東急ホテルは20年6月にオープンしたばかりで、施設内はピカピカである。JR三島駅から徒歩1分なのでアクセスもよく、晴れていれば大浴場から富士山を楽しむこともできるのだ。
にしても、なぜ三島にあるホテルなのか。筆者の周囲で「夏休みは三島でゆっくりできたよ。軽井沢でもなく箱根でもなく、やっぱり三島が一番」といった話を聞いたことがなかったので、驚いたのである。この結果について、川元さんはどのように分析しているのだろうか。「首都圏から西側へ移動する際に、三島に立ち寄った人が多かったのではないでしょうか。実際に泊まって好印象を持たれたのか、帰りにまた泊まられた人も多かったですね」
なるほど、なるほど。普段の旅行であれば「行き先は〇〇ね」と決めたら、そこまで飛行機や鉄道を使って、よそ見をせず目的地を目指す。しかし、ツギツギを利用している人の中には、途中下車のような形で三島駅で降りて、駅チカのホテルで泊まったというわけだ。
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