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新幹線だけじゃない! JR東海の「在来線」はどうなってるのか:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(2/11 ページ)
JR東海といえば「東海道新幹線を運行する会社」「リニア中央新幹線を建設する会社」というイメージが強い。報道も新幹線絡みが多い。しかしほかのJR旅客会社と同様に在来線も運行している。そして「新幹線ばかり優遇して、在来線の取り組みは弱い」という声もある。本当だろうか。
JR東海の電車は現在の主力車両313系と315系の2本立てとなり、すべてJR東海以降の形式になる。ディーゼルカーのほうも11年からキハ25形を投入し、国鉄から継承したキハ40形を16年に全廃済みだ。211系電車の引退によって、1987年にJRグループが発足して35年、JR東海は初めて国鉄型車両を一掃した。
新幹線ばかり注目されるJR東海は、在来線の若返りにも注力した。「新幹線を優遇している」という声も聞くけれども、車両の設備投資でいえばそれは誤り。JR東海の20年3月期の運輸収益は92%が東海道新幹線で、在来線は8%にとどまっている。むしろJR東海は新幹線の稼ぎを在来線整備にぶち込んでいるといえる。
もっとも、これはJR東海発足時の約束のようなもの。国鉄を分割して民営化したとき、JR東日本は首都圏、JR西日本は京阪神というドル箱があり、ローカル線の赤字を埋め合わせられる。しかしJR東海エリアの在来線のほとんどか赤字ローカル線だ。東海道新幹線を任せるから、岐阜・愛知・静岡・長野(南部)の赤字在来線を面倒見てくれよ、というわけだ。
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