企業の業績に大きな影響を及ぼした、新型コロナウイルス。業績が大きく悪化した企業がある一方で、業績を大きく伸ばした企業もある。「レゴブロック」を全世界で展開する、デンマークの玩具メーカー、レゴもそうした企業の1社だ。同社は2021年上半期、売上高が前年同期比46%増の230億デンマーククローネ(DKK、日本円で約3990億円)、営業利益は同104%増の80億DKK(約1388億円)を記録した。
コロナ禍で変化したユーザー層 「大人レゴ」に注力
レゴジャパンの担当者に売れ筋商品の傾向を聞くと、やはりコロナ禍による在宅時間の増加の影響は大きいようだ。玩具であることから、これまでは子どものユーザーが中心だったが、在宅勤務の増加で「子どもだけでなく、家族で楽しむケースが増えた」という。
同社が現在、注力するユーザー層が、親をはじめとした大人だ。子どもと遊ぶ中で、幼少時にレゴで遊んだ記憶がよみがったのだろうか。コロナ禍で外出する機会が減少したことも相まって、再びレゴにハマる大人が増加傾向にあるという。
こうした背景から同社は2020年、新戦略「大人のレゴ」を発表。スポーツカーや建築物など大人が好むであろう商品を次々と投入。順調に売り上げを伸ばしている。日本での売り上げ全体を10とした場合「男児が5〜6割、女児が3割、大人は1割いかないくらい。だからこそ伸びしろがある」と同社。
現在、大人向けの商品で売れ筋なのが「レゴ ボタニカル コレクション」の「フラワーブーケ」と「レゴ アディダス オリジナルス スーパースター」の2商品。フラワーブーケは、レゴで作る花束で、自宅のインテリアに活用できるのが特徴。製品自体は造花だが、サトウキビを使った植物由来の部品を使っており、リアルさとともに環境にも配慮している。
独アディダスの名スニーカー「スーパースター」を再現した商品も、リアルさでは負けていない。付属パーツで、伝統の「3本線」の色をカスタマイズできる他、実際のスニーカー同様、ひもを通せるようにした。
商品の箱も「スーパースター」シリーズの箱を強く意識している。20年10月に締結したパートナーシップの一環として、7月に発売した商品だが、早くも同社の売れ筋商品になっている。ターゲット層として設定した大人に加え、10代後半も多いという。
4月に発売した、ディズニー映画『くまのプーさん』とコラボした「レゴ くまのプーさん」も好調だという。
「21年は大人レゴに精力的に注力した年」(同社)
ハイクオリティーで、組み立てがいがある商品を今後も投入する予定だ。
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