人事機能を改革せよ! グローバルで勝つための「組織体制」と「武器」:「ニューノーマル×グローバル」に勝つ人事(4)(1/3 ページ)
日本企業が、グローバルで成功を収めるにはどのような人事機能が求められるだろうか? 必要とされる「組織体制」と「武器」を解説する。
連載:「ニューノーマル×グローバル」に勝つ人事
日本企業が、グローバル市場で求められる組織能力を獲得し発揮するために必要なことは何か──。
これまで3回に渡って日本企業がグローバル市場で勝つための人材マネジメントの取り組みについて解説してきた。最終回となる本稿においては、それら各種取り組み・施策を立案し、運営していく人事組織・人事機能はどうあるべきか、変革のポイントを解説する。
「人事機能」とは何だろうか? 人事機能の改革について記す前に、人事機能そのものについて簡単に解説したい。
人事機能と聞いてイメージしやすいのは、採用、人事異動、評価や処遇決定など、企業で働く社員の人事をつかさどる部署・組織だろう。また、毎月の給与計算などオペレーションを行うことも、人事機能の重要な役割の一つである。
こうした人事機能を分かりやすく区分けすると、下記の3つに分類される。
(1)中央人事機能(Center Of Excellence/Center Of Expertise、以下COE)
人事の各領域に専門性を有し、施策を立案する役割
(2)HRビジネスパートナー(以下、HRBP)
事業における人事課題解決のための役割
(3)シェアードサービスセンター(以下、SSC)
さまざまな事務サービスを提供する役割
これらは、『HR Transformation』(邦題『人事大変革』、生産性出版)の著者でミシガン大学教授のデイビッド・ウルリッチ博士の提唱する人事機能組織モデルに基づく区分けである。この考え方が世に出て久しく、一般化しつつあるが、シンプルで有用なフレームワークであり、多くの日本企業が人事機能改革を進める上では、いまだ有用な考え方だ。
日本においては、COEは本社人事、HRBPは部門人事と解釈されることが多いが、この人事機能組織モデルで定義されているものとは若干異なる。
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