メタバースって何? 素朴な疑問をクラスターCEOに聞いた:メタバース研究所も設立(2/4 ページ)
2021年になり「メタバース」という言葉を耳にする機会が増えた。メタバースの意味や定義などをクラスターのCEOに聞いた。
メタバースが注目を集めるワケ
旧フェイスブック社が社名を変更してまで、人材と金の投資を進めるメタバース。2028年には、市場規模が1兆ドル(約115兆円)に達するという予測もある。一体、なぜ注目を集めているのだろうか。
加藤CEOはユーザー視点と、企業視点のそれぞれから推察する。ユーザー視点では「機会に干渉できるため」とする。現実世界では物理的な制約や生まれた環境、見た目には残念ながら格差が発生してしまう。
例えば、男性が手っ取り早くイケメンになりたい場合、現実世界では、ダイエットや美容整形などに頼ることしかできない。メタバースでは、思い通りの自分を、アバターを通じて自ら作ることができる。
「若者が投票に行かないとよく言われるが、その理由の多くが投票しても世の中が変わらないという無力感があるのではないか。ゲームやメタバースはやった分だけ世界に干渉でき、動かしようがない現実を変えることができる」(加藤CEO)
これに対し、企業視点では「IT業界と経済業界が目指す方向性が合致したのではないか」とする。実際、金融業界ではブロックチェーン技術を使った暗号資産などが登場し、多くの人々が投資している。
「デジタルがあふれる生活になるというぼんやり各業界で抱いていたものが、業界や人類の目指す先としてメタバースに集約された」と加藤CEO。20年8月にcluster上でオープンしたポケモンのテーマパーク「ポケパーク」を事例に「例えばテーマパークを現実世界で作ろうとすると、多額の資金が必要で、建設段階で多くの二酸化炭素も輩出する。メタバース内で建設するほうが合理的で、エネルギーコストも低い」とした。
近年の温室効果ガス制限の流れもメタバースが注目を集める要因になっていそうだ。
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