2022年の外食産業はどうなる? 「オンザライス系」と「大衆食堂」に注目すべき“合理的”な理由:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/6 ページ)
2021年の外食産業はコロナに翻弄され続けた。22年にはどのような業態が流行するのだろうか。筆者が「オンザライス系」と「大衆食堂」に注目する理由とは?
ハンバーガーに活路
コロナ禍で、外食の店舗が営業自粛を要請された。要請を受け入れなければ罰則も科すという状況で、一貫して好調だったのは、もともとテークアウト比率が高かった、ハンバーガーやフライドチキンの業態だった。
直近の決算発表を見てみよう。日本マクドナルドホールディングスの21年12月期第3四半期は、売上高約2366億円(前年同期比110.8%)。モスフードサービスの22年3月期第2四半期は売上高約385億円(同114.5%)。日本KFCホールディングスの22年3月期第2四半期は売上高約481億円(同111.1%)。いずれも売り上げが2桁増となっており、圧倒的な勝ち組となった。
また、これらはデリバリーにも強い。例えば、出前館の売上高が21年8月期の決算において、前年の約103億円から約290億円へと、3倍近く伸びた恩恵を受けた。なお、出前館は約180億円の営業赤字を計上しているが、原因は拠点を拡大するための先行投資をしているからだ。同じようなことは、Uberにもいえる。
そこで、居酒屋、ファミレスなどからハンバーガーやフライドチキンに近似したから揚げへの進出が目立っている。鳥貴族は21年8月、チキンバーガー専門店「トリキバーガー」1号店を東京・大井町にオープンした。
また、「ロイヤルホスト」の運営会社・ロイヤルホールディングスも21年5月、東京・大井町に、チキンバーガー専門店「ラッキーロッキーチキン」をオープンし、21年12月27日現在で都内に4店まで拡大した。
さらに、「焼肉ライク」や「やきとり家 すみれ」を展開するダイニングイノベーションは、20年11月、東京・中目黒にハンバーガー専門店「ブルースターバーガー」をオープン。21年12月には東京・立川に2号店、22年1月には渋谷に3号店を出店。続いてチキンバーガー専門店「Doo Wop」を21年7月、東京・代官山にオープン。10月には、早くも2号店を渋谷にオープンさせている。
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スパコロは、一都三県の15〜69歳にカレーハウスCoCo壱番屋の利用実態調査を行った。認知率は79.3%と、8割近くが認知していることが分かった。他にも、テークアウト、デリバリーの利用率や、どんな時に利用したいかを聞いた。
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