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ユニクロもついに値上げか? 食品メーカーが次々決断する中、アパレルだけが踏み切れない“不自然”な理由:磯部孝のアパレル最前線(1/5 ページ)
食品、日用品を中心に値上げの動きが急速に高まっている。緊急事態宣言が解除され、アパレル消費に復活の兆しが見え始めている中で冷や水を浴びせかねない今回の値上げ圧力。しかし、アパレルでは、簡単に値上げ宣言しにくいのが現状だ。その理由について筆者はこう分析する。
緊急事態宣言が明けてから、新型コロナによる感染者数は今のところ収束傾向が続いている。飲食店では酒類の提供も始まり、ようやく通常営業ができる環境が整いつつある。今まで不振に喘(あえ)いでいた都心の百貨店にも多くの買い物客が詰め掛け、婦人のウールコートの売れ行きが好調といった声まで聞こえるようになってきた。
その一方でガソリンをはじめ、食品、日用品を中心に値上げの動きが急速に高まっている。ようやく時短営業も終わり、街中や遠方に出掛ける機会が増え、アパレル消費に復活の兆しが見え始めているところに、冷や水を浴びせかねない今回の値上げ圧力。しかし、アパレルでは、簡単に値上げ宣言しにくいのが現状だ。今回はその理由について取り上げてみたい。
アパレル商品は、同一デザインによる価格比較がなかなか難しい。素材や機能、デザインという多元的要素を取り込んだ上での価格設定になっているからだ。そして、アパレル商品の評価軸ほど個人間の差が大きい商材も珍しいのではないかとも思う。
これまで生活者の信頼や支持を集めてきたアパレルにとって、値上げは、消費者の買い控えや競合他社への乗り換えのきっかけを作ってしまう要因となる可能性がある。そのようなきっかけは正直作りたくないというのが本音といえる。
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