ファミマが掲げる“無人1000店” 小型・無人化で開拓する新たな商圏とは?:出店を加速(2/4 ページ)
コロナ禍の影響もあって注目を集めている無人決済店舗。その導入で1歩リードしているコンビニが、ファミリーマートだ。なぜファミマは導入を加速させているのか。担当者に聞いた。
マイクロマーケットの成長規模は1兆〜2挑円
従来型のコンビニは、レジ打ちや商品の補充などの業務をこなす従業員を常時2人程確保する必要があった。そのため、出店コストや人件費を考えると、一定の客数が見込める商圏への出店がマストとなっていた。
日本フランチャイズチェーン協会のまとめによると、国内のコンビニの数は約5万6000店。既に“飽和状態”との声もあり、これまでと同じ出店モデルでは限界がある。また、人手不足の解消も大きな課題となっていた。
コストや人員を削減し、今まで開拓できなかった新たな商圏の獲得が急務だった。そこで目を付けたのが「マイクロマーケット」だ。マイクロマーケットとは、工場内や病院、オフィスといった小さな商圏のこと。太田氏によると、1兆〜2兆円規模の市場成長余地が見込めるという。
無人決済システムを活用することで、従業員の1日の業務で3〜4割を占めるレジ業務を無人化できた。また、公共料金の支払いや荷物の発送などは提供せず、「スピーディーに商品が買いたい」といった、商圏に合わせたサービスに特化することで効率的なオペレーションを実現。これまで収益が見込めず出店を見合わせたり撤退したりしていた商圏への進出を可能とした。
また、これらの店舗は、近くに本店があることを前提とした“サテライト店”として出店する。通常の店舗より客数は見込めないものの、2号店との位置付けであれば、人件費を削減しつつ、オーナーの収入増も期待できる。
サピアタワー/S(サテライト)店は、企業や団体のオフィスが入る高層ビルの1階に出店した。3階には有人店舗があり、そのサテライト店となる。ビル内に勤めるビジネスパーソンの利用が多く、出勤前や移動の合間にサッと短時間で買い物できる点が支持されている。
一方、課題も見えてきた。現在対応している支払い方法は、Suicaなどの交通系電子マネーとクレジットカード、現金のみ。利用者が増えているQRコード決済や同社が展開している「ファミペイ」は今のところ使用できず、導入を求める声が多いという。
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