ファミマが掲げる“無人1000店” 小型・無人化で開拓する新たな商圏とは?:出店を加速(3/4 ページ)
コロナ禍の影響もあって注目を集めている無人決済店舗。その導入で1歩リードしているコンビニが、ファミリーマートだ。なぜファミマは導入を加速させているのか。担当者に聞いた。
駅や郵便局など新たな商圏を開拓
スピーディーに買い物ができる無人決済型店舗と相性がいいのが「駅」だ。21年8月には、無人決済型のフランチャイズ1号店として、西武新宿線中井駅の「トモニー中井駅店」(東京都新宿区)をリニューアル。同年10月には、東武アーバンパークライン岩槻駅の「ファミリーマート岩槻駅店」(さいたま市)にも導入した。
岩槻駅店では、無人決済システムを使ったファミマ店舗として初めてたばこも展開している。どのように販売しているかというと、バックヤードにいる店員がカメラで客の姿を確認。状況に応じて、遠隔で身分証の提示を求める対応を取っている。
16年4月に業務提携した日本郵便の店舗を活用した取り組みも進めている。10月には、小型モジュールを活用した「川越西郵便局/S店」(埼玉県川越市)を出店した。(関連記事)
TTGが開発した小型モジュールは、大掛かりな内装工事をする必要がなく、必要最低限の照明や棚で構成され、7〜15平方メートル程度の極小地で展開ができる。ファミマでは、同店への導入を皮切りに、オフィスのフロア内などで、小型モジュールを活用した店舗の出店を想定している。
同社では、オフィス用におにぎりやサンドイッチなどを取り扱う自動販売機の展開を進めていた。しかし太田氏は、自販機で提供できるラインアップでは、お客が本当に満足できる品ぞろえが提供できていないのでは。という課題意識があったと振り返る。
「小型モジュール店舗は、分かりやすく言えば『自販機が大きくなったもの』です。お客さまにとって“身近にある”ことが一番のポイントだと考えています」(太田氏)
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