リーマン前も現れた「二極化相場」が今年も発生? グロース株に忍び寄る利上げの“影”:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(2/3 ページ)
コロナ禍が招いた「二極化」は業界だけではない。金融緩和の結果「グロース株」が選好され、「バリュー株」は割安段階で放置されるという相場の二極化も招いた。このような動きはリーマンショックの前夜にも現れていた。グロース株の不振がこの先の経済的なショックを示唆する可能性もある。
リーマンショック前にもあった“二極化”
それでは、リーマンショック前に発生していた、“二極化”の様子を振り返ってみよう。
05年1月におけるマザーズ指数とTOPIXの始値を100とおくと、06年初頭までの株価上昇局面においては、TOPIXよりもマザーズ指数のパフォーマンスが上回っている場面も多く見られる。
しかし、そこからのマザーズ指数はパフォーマンスを悪化させ続けた。07年8月ごろまで高値で保ち合い相場となっていたTOPIX指数とは裏腹だ。両者のかい離が最大化した07年の8月には、TOPIX指数が05年初頭で+30%のリターンを維持していたにもかかわらず、マザーズ指数はマイナス60%ほどまで落ち込んでいたのだ。
この時のグロース株におけるパフォーマンス悪化の理由も、現在議論されているのと同様に米国での急速な利上げである。当時のFRBはITバブルの崩壊やイラク戦争の勃発などによって当時としては異例の金融緩和が行われていた。そこから、04年の6月に4年ぶりとなる利上げを実施することとなり、そこから急速なペースで政策金利が上昇を続けていたのである。
6日に公開されたFOMCの議事要旨によれば、22年に予定されていた利上げについて、当初の予定よりも早い3月からの利上げ可能性が示唆された。具体的な金利ターゲットについては明らかでないが、速いペースでの利上げが要旨通りに実現すれば、04年以来のペースで利上げが行われる可能性もあり得るかもしれない。
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