2022年の総務、社内コミュニケーションのキーワードは「三位一体」と「新技術」なワケ:「総務」から会社を変える(4/4 ページ)
いまだ最適解が見えない、コロナ禍で再定義を余儀なくされた社内コミュニケーションの在り方。筆者は、これまで分断されていた施策を統合し、「三位一体」の社内コミュニケーション施策を考えながら、新たに登場している技術も採用すべきだと指摘する。
既にバックオフィス向けの展示会などで活用されており、参加者はアバターとして参加し、各ブースを回る。出展社もアバターで参加し、参加者、出展社ともにアバターを通じてコミュニケーションをしていく。もちろん、講演会においても、講演者もアバターとして話をするといったものだ。
より先進的なものだと、VRを使って仮想オフィスや仮想会議室でコミュニケーションをする、ということも実験され始めているようだ。ただ、VR用の機材を装着しなければならないので、若干手間やコストがかかる。会議のたびに装着するかどうか考えると面倒にも感じられ、技術の進展によって機材が小型化していくことを期待したい。
最後に紹介したいのが、3Dホログラムだ。3Dホログラムとは、物体が目の前にあるかのように、「立体的な映像を映し出す」技術のこと。3D映像を何もない空間に投影し、まるで本物が目の前にあるかのように見せることができるのが特徴だ。一般的な3D映像では、「正面」からしか映像が立体的に見えないが、3Dホログラムでは「側面や背面」からも、本物同様に立体的な映像を見ることが可能だという。つまり、会議をする相手、遠く離れた従業員が目の前に本物同様に現れるのだ。VRと違い、3Dメガネは不要で、誰でも肉眼で立体映像が見られる。3Dホログラムで会議をする、そのような世界もすぐ近くに迫ってきているのかもしれない。
アバター、VR、ホログラムといった先進的な技術は、B2Cで先行して活用され、その応用編としてB2Bに展開されることが多い。総務としては、どんな技術が現れ、まずはどのように使われるのかをウォッチし、できれば、B2Cサービスとして話題になっている段階で、その技術に触れてみたい。そしてB2B技術として使われだしたら、いち早くその活用にチャレンジしてみるとよい。常にファーストユーザーとして、積極的に技術に触れる、というマインドも、今後の社内コミュニケーション活性化には重要なポイントなのだ。
著者プロフィール・豊田健一(とよだけんいち)
株式会社月刊総務 代表取締役社長、戦略総務研究所 所長
早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長などを経験。現在、日本で唯一の管理部門向け専門誌『月刊総務』を発行している株式会社月刊総務の代表取締役社長、戦略総務研究所 所長。一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアムの副代表理事や、All Aboutの「総務人事、社内コミュニケーション・ガイド」も務める。
著書に、『リモートワークありきの世界で経営の軸を作る 戦略総務 実践ハンドブック』(日本能率協会マネジメントセンター、以下同)、『マンガでやさしくわかる総務の仕事』、『経営を強くする戦略総務』
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