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美容師の働き方はなぜブラックなままなのか──土日休みにこだわる人気店が、業界に問う課題:3年で5割以上が辞める(2/5 ページ)
土日は休めなくて当然、働き方はブラックで当たり前──そんな美容業界の在り方に警鐘を鳴らすのは、日曜定休の人気美容院を経営する海野貴裕さんだ。海野さんに、これまでのキャリアで培ってきた働き方への考え方や、顧客との向き合い方を聞いた。
日本政策金融公庫の調査では、美容院の人手不足への対応として「業務の機械化・IT化」と回答したのは6.9%。「効果的な手段が見当たらない」は31%に上った。
昔は「美容師に有給はない」といわれていた。海野さん自身、「風邪で休んだら罰金1万円」なんて職場も経験したそうだ。今はだいぶホワイトになってきたとは感じるものの、昔ながらの考え方は根強く残っている。
つまり美容師業界が直面しているのは、IT化やDX以前の問題だ。業務改善や福利厚生の充実が遅々として進まないのは、真摯に取り組めば取り組むほど、経営が傾く可能性があると考えられているからだ。しかし、なり手が減っていく時代に長く働き続けてもらうことを考えるなら、まともな環境を整えることから目を背けてはならない。
海野さんが参加している、美容室などの経営者が集まるオンラインコミュニティーでは、たびたび働き方に関する意見交換がなされるという。子どもと休みが合わないことへの危機感は、経営者のライフスタイルによって差がある。
「土日休みの必要性を感じていない経営者も多いです。子育て中の当事者でないと分からない面もあると思います。僕も独身時代は『平日休みはどこも空いててラッキー』くらいに思っていました。そういう方が結婚したり子どもができたりして当事者になったとき、どういう考えに変わるのか興味があります」
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