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脱東芝の「レグザ」、国内トップシェア争いまでの復活劇家電メーカー進化論(2/9 ページ)

2006年に東芝の薄型テレビブランドとして誕生した「REGZA」は、高画質や多機能で高い支持を集めた人気ブランド。しかし15年頃からの不正会計疑惑により、テレビ事業は18年に中国のハイセンスグループに売却。激動を乗り越えてきた「REGZA」のこれまでと今後について、TVS REGZA 営業本部の2人に話を聞いた。

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薄型テレビブランドの立て直しで誕生した「レグザ」

 薄型テレビブランド「レグザ」が誕生したのは06年、地上アナログ放送が停波する5年前のことだ。

 それまで東芝は「FACE(フェイス)」ブランドのブラウン管テレビや薄型テレビ「ビューティフルフェイス」を手掛けていたが、パナソニックやソニー、シャープの後塵を拝し、国内シェアは1桁台にまで落ち込んでいたという。

 ブラウン管から薄型テレビへ、そしてアナログ放送からデジタル放送への移行は、東芝のテレビ事業を立て直すチャンスでもあった。そこで上層部は、テレビの新ブランドを立ち上げる決定をした。

 「トップダウンで『テレビの新ブランドを立ち上げろ』という指示がありました。私も新ブランドの立ち上げメンバーだったので、どういうブランドとして認知してもらうと良いかを考えました。

 その時に考えたのが、10人に1人がすごいって言ってくれたらシェアは10%に上がるということです。5人に1人が言ってくればシェアは20%になります。元が1桁ですからそれでもすごい伸びだと考えました」(本村さん)

 では、どういうコンセプトなら10人に1人が「すごい」というテレビブランドになれるのか。その答えが映像技術の追求だった。それまでは予算の関係でできなかったこともレグザでは追求した。エンジニアには「本物を作ろう」と伝えた。

 顧客イメージとして設定したのは、より良い画質を求める映像や放送の技術者、オーディオ&ビジュアル関連のメディア関係者だ。それらの映像のプロたちからの評価は、インフルエンサーとしての影響力もあると考えたという。

 こうして06年9月に発売した「Z」シリーズは、本村さんがまさに狙っていた評論家やメディア関係者から高い支持を集めることに成功。“高画質のレグザ”というブランドの認知が広がっていった。

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