本当は怖い「週休3日制」 導入にはデメリットも:どうなる? 「週休3日制」(2)(1/4 ページ)
「選択的週休3日制」の導入を検討する企業が増えている。しかし、週休2日で働く社員と週休3日で働く社員が混在することで、思わぬデメリットを生む可能性もある。導入前に考慮すべき、4つのデメリットとは?
連載:どうなる? 週休3日制
コロナ禍で働き方の自由度が高まる中、「選択的週休3日制」が話題となっている。一部の大手企業などで導入が進められているが、この制度は今後定着するのだろうか? 選択的週休3日制について、人事や経営者が知っておくべき知識を、3回にわたり解説する。
「選択的週休3日制」は、高齢従業員から先行して導入する可能性が高い。
企業に70歳までの就業機会を付与する「70歳就業法」(改正高年齢者雇用安定法)が2021年4月に施行された。施行前の3月に実施したリクルートキャリアの調査によると、65歳以上の従業員の働き方として「週休3日制」の導入を検討している企業が18.0%もあった。
家族の介護や趣味の時間の充実などワークライフバランスを重視した制度だが、同時に週休3日によって生産性が向上するのかという実験的意味合いもある。結果次第では下の世代にも導入が広がる可能性もあるだろう。
週休3日制のタイプと目的
選択的週休3日制には(1)1日分の給与を減額する(給与2割減)、(2)1日の労働時間を増やし、給与はそのまま、(3)1日の労働時間も給与もそのまま――という3つのタイプがある。
しかし、いずれのタイプにしても導入の目的と運用方法が明確でなく、単に休みを増やすだけでは選択する人も増えず、失敗する確率が高い。
導入企業の目的は大きく(1)育児・介護などのワークライフバランスの充実、(2)資格取得やスキルアップのための勉強、(3)副業解禁による社外活動の経験の蓄積――などだ。目的や条件を明確にすれば利用者も増える。また、会社にとっても社員の満足度が向上し、エンゲージメント(会社への愛着心)を高めることにつながる。
働き方の選択肢が増えれば、外部の優秀な人材の獲得につながるリクルート効果もある。さらにはスキル向上や他社での副業経験が生産性向上や新たなビジネス創造のヒントにつながるというメリットもある。
導入で起こりうる、4つのデメリット
週休3日制により、社員、会社双方がメリットを享受するには人事・労務管理を含む運営体制を整備する必要がある。もし、それができないと以下のようなデメリットが発生しやすい。
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