無人なのに高級コーヒーが飲める AIカフェロボット「root C」の革新性:1杯450円(4/5 ページ)
近年、人気を集める「非接触」のサービス。JR新橋駅前や東京ソラマチなどに設置されているAIカフェロボット「root C」も、そのひとつ。同サービスを運営するNew Innovationsの中尾渓人CEOに、ビジネスモデルと反響を聞いた。
非対面の「カフェ」や「商品受け取りシステム」も
ニューイノベーションズでは、自社技術を他社に提供する事業も主力だ。ブルーボトルコーヒーとの協業では、新業態の「非対面カフェ」を実現するオーダー、及び受け取りロッカーシステムを開発した。
これは、オーダー専用端末でメニューを選んで注文すると、ブルーボトルコーヒーのバリスタが淹(い)れたコーヒーを、ロッカーから受け取れる仕組みだ。バリスタが注文商品をセットすると、ロッカーのセルが光って、できあがりを知らせる。
この「非対面カフェ」は完全無人ではなく、操作方法を案内する店員とバリスタが同じ店内にいるものの、注文や受け取りは非接触で行うことができる。コロナ禍における安全性の向上に加え、大幅に人員を削減できることから人件費の削減にもつながる。
「ブルーボトルコーヒーさんには、『非対面カフェ』の取り組みを通じて、新型コロナによる顧客の需要の変化を検証したいという思いも強くあるようです。この協業の発表後、当社には、さまざまな飲食店から多くの問い合わせが舞い込みました。複数社とやり取りしながら、無人化、省人化の方法を探っています」(中尾氏)
ラグジュアリーブランドからのニーズを受け、「root C」のロッカーシステムをベースにした非接触の商品受け取りシステム「スマートショーケース」も開発。顧客は、QRコード認証でロッカーを解錠することにより、通販サイトで購入した商品を受け取れる。さらに、使用しないときはショーケースにもなるという。すでに海外ラグジュアリーブランドで採用された実績があり、店内に設置されている。
通販での購入商品は自宅への送付も選べるが、意外にも、あえて店舗に足を運んでスマートショーケースで商品を受け取る顧客も少なくないという。
「先方いわく、合理性だけで選ぶ顧客ばかりではなく、店舗の空間に入りたい、新しい商品を店舗で見たいといったニーズがあるようで、通販で購入しても、あえてスマートショーケースで引き取る方が想像以上に多いです」(中尾氏)
スマートショーケースの発表後は、ショッピングモールから問い合わせが多くきており、ショーケース機能のない商品受け渡しのためのロッカーも企画していると中尾氏。
「この場合の顧客ニーズは、複数のテナントで購入した商品を1つのロッカーで受け取りたい、営業時間外に受け取りたい、営業時間内に非接触で受け取りたい、の3つ。多くの小売店ユーザーに当てはまる自然な需要だと思います」(中尾氏)
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