無人なのに高級コーヒーが飲める AIカフェロボット「root C」の革新性:1杯450円(3/5 ページ)
近年、人気を集める「非接触」のサービス。JR新橋駅前や東京ソラマチなどに設置されているAIカフェロボット「root C」も、そのひとつ。同サービスを運営するNew Innovationsの中尾渓人CEOに、ビジネスモデルと反響を聞いた。
CEOはZ世代の22歳。先端技術を持つテクノロジー集団
中尾氏は1999年生まれの22歳で、デジタルネイティブといわれるZ世代にあたる。14歳で「RoboCup Junior」世界大会で入賞し、高校在学中の2018年にニューイノベーションズを起業。「あらゆる業界を無人化する」をビジョンに、先進的なテクノロジーやビジネスモデルを武器に事業を拡大する。
「root C」を開発した背景には、「テクノロジーを駆使して、人々のニーズに合ったコーヒー体験を届けたい」との思いがあるという。
「コーヒーマーケットにおける時間、場所、品質などのアンマッチを感じていました。本当はおいしいコーヒーが飲みたいけれど、すぐに買えて便利だからコンビニに行く、本当はコンビニコーヒーでいいけれど、場所を使いたいからカフェに行くなど。その中で、仕方なく自販機やコンビニでコーヒーを買っている層をターゲットにしています」(中尾氏)
加えて、カフェが開業できない場所にも一定のコーヒー需要があることを見込んで、小規模、かつ無人で運営できる「root C」にビジネスチャンスがあると考えた。「root C」は既存の自販機にインターネットをつないだような単純な仕組みではなく、新たなAIカフェロボットとして、同社がイチから開発した。
コアとなるのは、クラウドシステムと各ステーションを相互連携させて実現したステート(状態)管理技術。相互に情報を伝達させることで、通信障害や停電などの例外が起こった際でも、機械の状態を自己判断して自動制御や自動復帰ができるそうだ。
決済関係のトラブルなどは同社のカスタマーサービスが遠隔で担当するが、さまざまな外部状況に応じた制御や復旧は自動で行っている。
もう1つ注目したい技術が、同社が特許出願中の完全無人店舗での牛乳の品質管理だ。牛乳を各ステーションに補充して保管する一連の工程における衛生状態を遠隔でモニタリングし、もし異常を検知したときは自動でミルクを使ったメニューの販売をストップする。
この技術と実証実験を後押しする新技術等実証制度を使ったことで、マーチエキュート神田万世橋のステーションで日本初となる無人店舗における牛乳を使ったカフェラテの販売が実現した。その他のステーションでは、まだ営業が許可されていないが、規制緩和に向けて取り組んでいるそうだ。
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