2015年7月27日以前の記事
検索
連載

金の買い取り業からマッサージ器で成功、型破りなドクターエアの経営とは?家電メーカー進化論(5/7 ページ)

近年、マッサージ家電が人気だ。マッサージガンや椅子やソファーに置くとマッサージチェアになるシートなど、使ったことがある人も多いだろう。これら新しいタイプのマッサージ機器をいち早く手掛け、市場を牽引しているのがドクターエアだ。同社の誕生の経緯や、型破りな経営、今後の展開について井上馨社長に聞いた。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

プロスポーツ選手の支持も集めたフィットネス機器

 ドクターエアブランドの価値をさらに高めたのが、プロスポーツ選手やアマチュアアスリートなどから支持を集めているフィットネスシリーズの製品。その代表的な製品が「ストレッチロール」だ。


振動によってセルフストレッチができる「ストレッチロールS」(実勢価格1万9352円)。最大1分間に4000回の超微振動を発生させ、効率的に筋肉を刺激できる。トップアスリートから支持される製品だ

 アスリートの間でエクササイズやストレッチ用に円筒状のポールが使われていたことに、井上氏が着目した。

 「マッサージ機器では揉む、叩く、振動するという制御を行います。この中の振動機構をポールに入れればいいと考えました。早速作ってみて、大学の運動部やプロスポーツ選手、いろんな競技団体に使ってみてもらえませんかと、声をかけて回るように指示しました。営業のスタッフを始め、売れると言った社員は皆無でしたが、僕の読みが当たりました」(井上氏)

 16年に発売したこのストレッチロールがスポーツ選手の間で話題になり、スポーツ業界でも「ドクターエア」ブランドの認知が広がっていく。さらに15年頃からブームが広がり始めていた“筋膜リリース”の波に乗り、ヒット商品になっていった。


「ストレッチロール」や「3Dコンディショニングボール」は、米NFLのレジェンドプレイヤートム・ブレイディのプライベートブランド『TB12』にもOEM提供しており、北米市場でもヒットしているという

 このほか、累計出荷台数80万台を超える「3Dスーパーブレード」シリーズもフィットネスシリーズを代表する製品だ。21年にはライザップとコラボした「3Dバランスブレード」を製品化するなど、マッサージ機器だけではない、さまざまな展開が始まっている。

 また、これらフィットネスシリーズの製品の多くは日本ホームヘルス機器協会認定の「健康増進機器認定製品」の認定も取得しているため、信頼性が高く、安心して利用できる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る