「ナイト需要」 消失でカラオケ市場に打撃 今後のカギは「歌わないカラオケ」:帝国データバンク調べ(1/2 ページ)
帝国データバンクは、2021年度のカラオケ市場の見通しと今後の展望について調査・分析を行った。
帝国データバンクの調査によると、2021年度のカラオケ市場は、新型コロナウイルス感染拡大前の19年度から約6割減となる1400億円程度と、前年に続き大幅な減少となることが分かった。帝国データバンクは「『歌わないカラオケ』への転換で、離れた客足を戻せるかどうかが今後のカギ」と指摘する。
22年1月までの企業業績(予想を含む)から、21年度のカラオケ市場は1400億円前後と推計。前年度比で4割超の急減となった20年度に比べ、21年度の減少率は3割ほどと低くなったものの、引き続き大幅な減少となる。その結果、21年度市場は、19年度(3482億円)の4割程度となるほか、直近でピークだった11年度(3837億円)からは3割台になるなど厳しい内容が見込まれている。
「東京都などで適用されたまん延防止等重点措置などで、深夜帯や繁華街の店舗を中心に飲み会後の二次会・三次会、『ナイト需要』が見込めなかったことも売上減につながった」と帝国データバンクは分析。
それでも、郊外のロードサイド店などでは日中のレジャー需要で回復がみられた企業があるほか、昨年秋以降は緊急事態宣言の解除により、都市部店舗では「飲み会」後の二次会・三次会目的での来客や、年末年始にかけては小規模な忘新年会需要も発生した。
帝国データバンクは「足元でも、抑えられていた消費が一気に爆発するコロナ後のリベンジ消費に期待感を持つカラオケ店も少なくなかった」と指摘する。オトナ女子向けメディアアプリ「LOCARI」が行ったアンケート調査によると、「コロナが落ち着いたらやりたいこと」としてカラオケが、旅行や外食などに次いで8番目にランクインし、底堅い需要があったためだ。
こうした動きも背景に、積極的な事業拡大や先行投資を進める企業もあった。駅前繁華街を中心に新規出店を継続してきた「まねきねこ」のコシダカHDのカラオケ事業売上高(21年9〜11月)は、前年同期比3.0%減の59億4800万円となり、厳しい経営環境ながらも小幅の減少にとどめた。
関連記事
- 30〜40代既婚男女に聞いた「令和のしない家事、三種の神器」 3位は「洗濯乾燥機」、2位と1位は?
パナソニックが実施した「30・40代夫婦の家事に関するライフスタイル調査」で、家事負担軽減、家事時間削減のために購入したい家電1位は「食洗機」であることが分かった。他に共働き夫婦がお互いに思う家事分担比率などを比較した。 - 2ボウルの洗面台に土間収納付き “大人の二人世帯向け”リノベマンション、大和ハウスグループが発売
コスモスイニシアと、不動産会社のIRIS(東京都新宿区)は、「大人の二人世帯」へ向けて企画したリノベマンションの販売を開始した。 - 停止前に「Go Toトラベル」を利用した人は32.2% 理由は?
ゼネラルリサーチが全国20〜60代の男女1044人を対象に、「Go Toトラベル再開後の旅行」に関する意識調査を実施した。 - ビジネスホテルの“無料朝食”、気になる原価は一体いくら? 激化する“朝食合戦”から見るホテルの今
ホテルが朝食で特色を出そうとしていることは、宿泊者としてひしひしと感じる時がある。新たな施設の建設やリノベーションを施せば特色は強く打ち出せるが、コストはバカにならない。朝食は差別化のアイテムとして取り組みやすい部分なのだろう。 - 次に買いたい車 ダイハツ「タント」を抑えて1位になったのは?
ソニー損害保険が実施した「全国カーライフ実態調査」。主に運転している車のボディータイプを聞いたところ「軽自動車」が41.3%で最多となった。次に買い替える時に購入したい車は?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.