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「ナイト需要」 消失でカラオケ市場に打撃 今後のカギは「歌わないカラオケ」帝国データバンク調べ(2/2 ページ)

帝国データバンクは、2021年度のカラオケ市場の見通しと今後の展望について調査・分析を行った。

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「歌わないカラオケ」への転換、急ピッチで加速

 ただ、スマホゲームをはじめとしたアミューズメントの多様化や人流の変化などから来客数が想定を下回るといった経営環境を背景に、コロナ前の6割程度と弱めの回復を想定している企業も多いと指摘する。「ビッグエコー」を展開する第一興商の、21年4〜9月時点の売上高(カラオケ・飲食店舗事業)は、前年同期比43.4%減の63億3100万円だった。「コロナ禍によって多くの店舗で休業・時短営業を余儀なくされた」(第一興商)ことが背景だと説明している。

 集客が難しいなか、カラオケ各社では「歌うだけの場所」から、通常のカラオケ利用以外の需要取り込みに注力する動きが加速している。「JOYSOUND」を展開するエクシングでは、大音量でライブ音楽や映像を楽しむことが可能な「みるハコ」や「楽器カラオケ」など、消費者のニーズに応える設備を充実させた。

 また、テレワークが増えたことを背景にWi-Fi通信の完備、プロジェクターや電源タップ、HDMIケーブルの無料貸し出しなどビジネスユースをターゲットにしたテレワークプランを充実させるカラオケ店もあり、「利用状況は上々」との声が聞かれる。

市場調査
「歌うだけの場所」からの脱却が今後のカギとなる

 帝国データバンクは「都心部を中心に広がったテレワークに加え、コロナ禍を機に高まった忘新年会や会食の自粛・敬遠ムード、スマホゲームをはじめとしたアミューズメントの多様化といった逆風が吹いており、当面の間、苦しい経営を余儀なくされる状況が続きそうだ」と指摘。

 コロナ禍の影響は今期一杯影響するとみられる中、「従来のナイト・アミューズメントユース中心のイメージを転換する取り組みで、離れた客足をいかに呼び戻すことができるかが、22年度以降の市場動向を占うカギとなる」と訴えている。

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