コラム
“管理職を降ろされ不満噴出”を避けるには? M&A後の「等級・評価・報酬制度」統合のコツ:突然のM&A その時、人事がキーマンになる(1/4 ページ)
もともと管理職クラスの報酬を得ていたが、M&A後の新会社では報酬水準が下がってしまったという社員から不満が噴出──M&A後の「等級・評価・報酬制度」統合には、さまざまなリスクが付きまとう。失敗を避けるためのポイントを解説する。
連載:突然のM&A その時、人事がキーマンになる
離職者が増加、「買収される側」の社員が反発、「買収する側」の社員にも不安と不信感が広まる──M&Aで起きてしまいがちな失敗を回避するための鍵は、“人事”の仕事にあった。人事コンサルタントの桐ケ谷優氏が、「M&Aを成功に導く、人事領域の対応」について解説する。
前回の記事「M&A後の新会社で『ゼロから人事制度を作る』 両社が折り合わない時にプロが選ぶ方法とは」では、M&Aに伴って統合会社の人事制度を「ゼロベース」で設計する場合の留意点について解説した。
今回は、人事制度の根幹となる等級制度・評価制度・報酬制度の統合について、より具体的に説明したい。制度を統合するにあたり、「A社には5段階の等級があるが、B社には6段階あるため、調整が必要になる」「M&A前の旧会社での人事評価を、どのように引き継ぐのか」「両社の基本給が異なるため、社員に納得感を持ってもらうにはどうすべきか」などの問題が生じる可能性がある。こうした問題の解決に向け、検討すべきポイントをお伝えする。
どう調整すべきか? 新人事制度の全体像の設計
関連記事
- "週休3日"の社員は、退職金を減額 NGですか?
当社では退職時に週休3日制を利用している場合、退職金の減額を検討しています。ところが、社員からは反対意見が出ています。 - 「部下を育てられない管理職」と「プロの管理職」 両者を分ける“4つのスキル”とは?
日本企業はなぜ、「部下を育てられない管理職」を生み出してしまうのか。「部下を育てられない管理職」と「プロの管理職」を分ける“4つのスキル”とは? 転職市場で求められる優秀な管理職の特徴について解説する。 - 「優秀だが、差別的な人」が面接に来たら? アマゾン・ジャパン人事が本人に伝える“一言”
多様性を重視するアマゾン・ジャパンの面接に「極めてだが優秀だが、差別的な人」が来た場合、どのような対応を取るのか。人事部の責任者である上田セシリアさんに聞いた。 - 「ウソみたいな被害」を訴えるパワハラ被害者 メンタル不調が疑われるが、会社はどう対応すべき?
会社がハラスメントの相談を受けたところ、相談者が「通常起こり得ない、現実にあったとは思い難い内容の被害」や「客観的事実と食い違った被害」を訴えており、どのように対処したらよいか担当者が戸惑うケースがあります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.