しゃぶ葉やガストが導入する「配膳ロボ」の実力は? 最先端、中国のロボット事情:ロボットの活用事例(5/6 ページ)
2021年10月、すかいらーくグループは、全国2000店舗に中国製の配膳ロボットを導入すると発表。中国では、配膳ロボットのほか、レベル4の自動運転技術を備えた業務用掃除ロボットも導入が進む。中国ロボットの総合代理店を務める日本のテクトレ社と、すかいらーくグループにロボット活用事例を聞いた。
レベル4の自動運転を搭載。完全無人の掃除ロボットも
もう1つ、注目したい中国製ロボットが、実用的な自動運転技術に定評がある「智行者」が開発した、屋内外兼用のレベル4自動運転業務用掃除ロボット・ヴィゴーだ。
事前に、周辺環境を覚えるためのマッピングという作業が必要だが、一度データをダウンロードすれば、ほぼ自動で道路や通路上の掃除、ゴミ収集、水巻き、消毒剤や融雪剤の散布などを行える。テクトレ社によれば、屋外で使えるレベル4自動運転業務用掃除ロボットは世界初の製品だという。使用時は4G以上のWi-Fi接続が必要となる。
「ブラシを回転させて掃除をするのですが、砂や砂利、小さな紙ゴミから新聞紙、落ち葉などは問題なく吸い込みます。実証実験では、手のひらの2倍ほどの木の板も砕きながら回収できました。屋内なら広々とした展示場や空港、屋外なら公園のアスファルトや駐車場などで利用できます。まだ実証実験中ですが、団地が並ぶ私有地の通路も活用できそうです」(テクトレ 掃除ロボット営業担当 岸本佳大氏)
自動運転の精度が高く、日本向け製品は1台につきライダーを2台搭載しているため、360度の方向で100メートル先にいる障害物を検知できる。障害物が危険な位置に入ってくると、一旦停止したあと自動で動きを切り替え、うまく回避するそうだ。指定場所の掃除が終わると、自動で待機場所に戻りスイッチがオフとなる。
大雪、大雨といった悪天候時を除き、完全に放置しておいても問題ないと断言できるほど安全に使用できるという。実証実験を通して、人間が掃除する場合に比べて6倍早いという結果が出ているそうだ。
「オペレーションにおいて、人の手が必要となる作業は4つのみです。1つ目は、指定した場所の環境データを取るマッピングの作業(初回のみ)、2つ目は充電、3つ目は本体のカートにたまったゴミの処分、4つ目は大雨や大雪のときに遠隔で機械を停止させることです。ただし、天気はある程度予想できますし、充電やゴミ捨ても事前に済ませておけば、基本的に作業中に関与する必要はありません」(岸本氏)
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