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放ったらかしでもプロ並みに? 低温調理器「BONIQ」が15万台も売れた理由キッチンに置きたい(3/6 ページ)

家庭用の低温調理器が密かにブームになっている。その火付け役ともいえるのが、累計販売台数が15万台を突破した家庭用低温調理器「BONIQ」(ボニーク)シリーズだ。プロクオリティのローストビーフなどがつくれるというが、その人気の理由は何なのか。

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海外の展示会でヒントを得て、自社で開発

 2016年に葉山社中を創業した羽田氏は、当初、海外ブランド製品を日本で販売する総合代理店ビジネスを想定していた。そのために海外の展示会を回るなかで低温調理器を見つけ、その機能性に魅了されたという。

 「ドイツの展示会でスリムな棒状の低温調理器を見つけ、ユニークだなと思い、購入して使用してみました。そうしたら、普段料理をまったくしない僕でもレストランで食べるような味に仕上がった。そのことにすごく感動して、日本で広めたいと考えました。当時、このようなデザインの製品を正規で販売している企業はありませんでした」(羽田氏)


キッチンに「ボニーク」が置いてあっても、一見なんだかわからないかもしれない(写真提供:葉山社中)

 そこで、正規代理店として海外の低温調理器を発売しようと考えたが、販売元の企業は日本展開に興味を示さなかった。さらに、日本で発売する場合、電圧やコンセントのプラグなどを日本仕様に変えなければならず、その開発や版権の費用がかかる。発注ロットも数千個からと大きく、原価が倍近くになる計算となり、それらが壁となった。

 「低温調理器の技術自体は革新的なものではなく、技術を持つ工場さえ見つければつくることができる。それならば自社でイチから開発しようと思い、中国で工場を探し、最もレスポンスと仕上がりがよかった工場と契約しました」(羽田氏)

 当時、羽田氏は低温調理器の専門的知識を持っていなかったこともあり、機能性は最低限にとどめ、革新的なデザインに焦点を当てて商品を開発。17年4月にマクアケで初代の「ボニーク」を発表すると、1300万円以上の資金が集まった。この反応に手応えを感じ、ファーストモデルを商品化。その後、「ボニーク2.0」の発表時もマクアケでプロジェクトを立ち上げ、1億6000万円を超える資金を集めている。

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