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ドコモも踏み出す「なんちゃって5G」って何だ?房野麻子の「モバイルチェック」(3/3 ページ)

NTTドコモが、4Gの周波数を利用して5Gのエリア展開を行うことを発表した。4G用の周波数を使った場合は帯域幅が変わらないので、速度は4Gと同等になる。こうしたことから、転用周波数を使った5Gは「なんちゃって5G」と揶揄されることもある。

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本来の高速5Gのエリア拡大に期待

 ただ、4G用の周波数を5Gに転用するということは、4Gユーザーがその周波数を使えなくなるということでもある。そのため、5G端末の浸透状況やネットワークの利用状況を確認し、4Gユーザーへの影響が出ないように、転用する周波数帯や転用時期について検討する必要がある。なお、利用状況によって4Gと5Gで周波数を動的に共有する「DSS(Dynamic Spectrum Sharing)」という技術もあり、ソフトバンクでは一部の周波数帯で導入しているという。

 ところで、周波数の転用によって5Gエリアはどこまで拡大していくのか。auは22年3月に700MHz帯を使って人口カバー率90%の5Gネットワークを整備する。ソフトバンクは1月末時点で5Gネットワークの人口カバー率85%を突破しており、今春90%を超えるとしている。


ソフトバンクの5Gネットワーク整備計画(2021年2月15日のニュースリリースより)

 一方、ドコモは24年3月までに人口カバー率90%以上の実現を目指している。人口カバー率では2社に後れをとった形だが、ドコモは速度の出ない5Gは優良誤認になるのではと懸念していたこともあり、高品質な瞬速5Gエリアのさらなる拡大を期待したいところだ。

筆者プロフィール:房野麻子

大学卒業後、新卒で某百貨店に就職。その後、出版社に転職。男性向けモノ情報誌、携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年にフリーランスライターとして独立。モバイル業界を中心に取材し、『ITmedia Mobile』などのWeb媒体や雑誌で執筆活動を行っている。最近は『ITmedia ビジネスオンライン』にて人事・総務系ジャンルにもチャレンジしている。


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